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メイド、転生する。
「あれ・・・・・・・、ここは・・・・・・・」
目を覚ますと、森のような場所にいた。 周りには誰もいないし、気配もない。
起き上がってその混乱でお腹をパンチしてみるが、
(…痛い。)
家で寝落ちしたはずなんだけど…、どうしてだろう。
ふと下を見たとき、遠くにあった水たまりに写っている私の姿に全部の神経と五感が凍って、私の感情が吹き戻された。
「えぇ! 嘘でしょ…」
写っていたのは、デフォルトとはほど遠い見た目。 私に、驚きと戸惑いの感情が現れる。
サラサラで長い、光を反射する金髪の髪、右目がピンクと左目が紫のきれいなオッドアイ。
しかも、フリルで飾られた水色と白のメイド服。
これは、「主人公」の見た目…。
立ち上がってみると、メイド服のスカートの下に、張り付いたものがある。
短剣だ。 革のカバーにしまってある。
(なにこれ・・・・・・。 どういうこと…)
でも他の服もないし、ましてやカラコンとかはないし・・・・・・。
思考を放棄し、ふと見た後ろにあるリュックの中を確認してみる。
「水、非常食、ライター、毛布、良かった…。」
防災グッズを用意してくれた、昔の私に感謝だ。
だけどその安堵はすぐに消える。
「あれ、これは?」
いつもならリュックに入れているスマホの代わりに、入れた覚えがない古びた1枚の紙と絵本くらいの薄さの古びた本が入っていた。
「…これは何?」
私は恐る恐る紙を見た。
よろしくお願いします。