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赤い星
赤い星。夜明けと共に、燦然と煌めく明星。
彼女はまるで星だった。
明るく元気で、見ているだけで生きる活力のようなものを与えられる。
もしかしたら僕は、彼女に依存していたのかもしれない。
本来ならば触れ得ることのできない存在。僕の唯一の拠り所。彼女は僕の全てだ。
彼女を色で表すとしたら、白だろう。清らかな心、穢れのない魂。これが純白でなければなんだというのだ。
僕は、彼女の為ならこの身が朽ち果てようとも、どれだけ苦しい思いをしようとも、なんだってできる。
その筈なのに、あの時庇うことすらできなかった。
真っ黒な雲は星を覆い、僕の目の前から消し去った。
真っ白な星が真っ赤に染まり、やがて届かぬ存在になる。
明け方、少し陽光が差す。
真っ赤な赤が、キラキラと煌めく。
(君は、最後まで美しいんだな)
美しい。僕の、僕だけの星。触れ得ることのできない星。
それでいて尚、彼女は美しい。手が届かないからこその美しさ。
もう誰も、誰1人も彼女に触れることはできない。それを嬉しくすら思えてしまう。
真っ白な星が赤く、グロテスクに乱雑に汚されていく。ぐちゃぐちゃに、ドロドロと。
何度でも僕はこう思う。美しい、と。
僕は、狂っているだろうか?