公開中
学級裁判 中編
愛莉「じゃあ…殺人が起きたと思われる時間帯は夜10時から…」
奏「ちょっと待って…!」
奏「ううん、殺人が起きたのは夜10時以降じゃない…確実に、もっと後…」
愛莉「え、どうして?」
奏「植物庭園のスプリンクラーだよ…」
奏「あのスプリンクラーは、毎朝7時半に水が撒かれる設定だったよね…?」
奏「つまり、死体が7時半よりも前に植物庭園にあったなら…」
奏「あの死体は、水で濡れてないとおかしいんだよ…!」
冬弥「ちょっと待て、死体は濡れていたはずだ」
奏「あれは上半身だけでしょ?スプリンクラーがあったら、全身濡れてるはず…」
冬弥「どうして上半身だけが濡れて…?」
奏「それは…あの死体が燃えた時、私が水を掛けたからだよ。燃えてる上半身だけにね…」
奏「だから、殺人が起きたのはスプリンクラーが作動する、朝7時30分以降って事だよ」
司「じゃあ、殺人が起きたのは…朝7時30分から9時までの間だな?」
みのり「でも、奏ちゃんのアリバイが無いのって…昨日の夜10時から朝7時30分までだったよね?」
絵名「あ、奏にもアリバイができる!」
雫「となると…アリバイがないのは瑞希ちゃんだけになるわね…」
瑞希「…………」
瑞希「…1つだけ言うけど、もしボクが処刑されたら、この学園の謎は明らかにならないよ」
瑞希「だから…絶対に…そうはさせない…!」
愛莉「じゃあ瑞希は…犯人じゃないの…?」
瑞希「当たり前じゃん、ボクが犯人なんて…そんなわけないよ」
瑞希「これは黒幕の罠なんだよ…」
冬弥「黒幕の罠…?」
モノクマ「アッハッハッハッハ!!この期に及んでボクのせいにする気?」
モノクマ「苦しいよ!そりゃ苦しいって!そんな言い訳が通用すると思ってんの!?」
類「モノクマ、少し黙っててくれないかい?」
モノクマ「はーい!黙ってまーす!」
みのり「それに、瑞希ちゃんには動機もあるよね…?」
みのり「ミクちゃんの事を黒幕だって思ってたし…ミクちゃんを殺して全てを終わらせようとしたんじゃないの…?」
絵名「動機があってアリバイがないとか…これは完全に瑞希が犯人じゃないの…?」
瑞希「……………」
瑞希「アリバイが無いのはボクだけじゃない。奏のアリバイだって、アリバイとしては不十分だよ」
奏「え…?」
瑞希「死体がスプリンクラーで濡れていないからと言って、殺人が7時半以降に起きたとは言えないよね」
奏「な、なんで…」
瑞希「死体をスプリンクラーで濡らさない方法があるからだよ!」
愛莉「そうなの…?」
瑞希「うん、現場にあったある物を被せれば出来るはず!」
奏「あ…もしかして、ビニールシート…?」
瑞希「そうだよ、あのビニールシートを使えば、スプリンクラーをやり過ごす事が出来る…」
瑞希「実際、犯人は使ったと思うよ。ビニールシートの汚れ方がそれを物語ってるからね」
瑞希「ビニールシートの片面だけが汚れていたのは、その面がスプリンクラーを浴びたからだよ」
瑞希「逆に、裏面はスプリンクラーを浴びていないから、汚れてもいないし、濡れてもいない…」
瑞希「つまり、犯人はビニールシートを使って、死体がスプリンクラーで濡れる事を防いだんだ」
司「そこまでして、死体が濡れるのを防いだのは何故なんだ…?」
瑞希「多分、殺人が起きた時間帯を誤認させる為じゃないかな?」
瑞希「さっきの奏みたいな言い訳をするためにね」
奏「…………」
なんで瑞希…私を犯人にしようと…?
なんで……
ううん…今はそれを考えてる暇ない…
奏「瑞希…それはおかしいよ…」
瑞希「何がおかしいの?」
瑞希「犯人は死体にビニールシートを被せる事で、死体が濡れないようにしていたんだよ?」
雫「じゃあ、ビニールシートが片面だけ汚れていたのは…その面がスプリンクラーを浴びたせいね!」
奏「でも、そのビニールシートの裏面は汚れてなかったよね…?」
愛莉「そっちはスプリンクラーを浴びていないからよ、汚れていなくて当然でしょ?」
奏「ううん…片面だけが汚れていない状態っていうのはおかしい…」
奏「だって、爆破される前の死体って、まだ血が乾いてなかったんだよ…?」
奏「そんな死体にビニールシートを被せたら…間違いなく裏面は血で汚れる…」
穂波「犯人が洗った…とかじゃないんですか?」
司「それなら両面とも洗うだろう…」
穂波「あ…確かにそうですね…」
瑞希「そもそもさ、その血本物なの?」
奏「え…?」
瑞希「つまり犯人は、ビニールシートでスプリンクラーをやり過ごした後…死体の上から、偽物の血を撒いた…とか」
みのり「保健室には輸血用の血もあったし…あり得なくはない…けど…」
瑞希「ううん、あの血は輸血用のパックじゃないね…犯人は、現場の植物庭園から偽物の血を調達してるはずだよ!」
奏「もしかして…ニワトリの血…?」
奏「事件前は5羽居たのに、事件後は4羽になってたんだよね…」
絵名「つ、つまり犯人は…ニワトリを殺して、その血を使ったってこと…?」
愛莉「残酷すぎでしょ…そんな事で生き物を殺すなんて…」
瑞希「犯人がわざわざ現場から血を調達したのは、自分が歩き回る姿を目撃されたく無かったからかな…」
瑞希「とにかく、実際にニワトリが減っていたのが今の推理の根拠だよ」
類「ふむ…だとしても少し引っかかる…」
類「犯人はビニールシートでスプリンクラーをやり過ごし、その後で偽物の血を撒いたと言ったね?」
類「だけど、死体の上から撒いたら、周辺の床にも血が流れてしまうはずだ…」
類「あの時は服しか汚れていなかったよ」
瑞希「じゃあ、犯人はその場で血を撒いたんじゃなくて、前もって白衣に血を付着していたのかもね」
奏「前もって…?」
瑞希「奏達が見た時って、その白衣をちゃんと着ていたの?」
穂波「そういえば…袖を通してなかったですね…」
瑞希「じゃあ、これで決まりだね」
えむ「話についていけなくてごめんね…何が決まったの?」
瑞希「つまり、殺人が起きたのは、スプリンクラーが作動するより前だったって事だよ」
瑞希「なのに死体が濡れなかったのは、犯人が死体にビニールシートを被せたから…」
瑞希「それで犯人は、ビニールシートを回収するのと同時に、あらかじめ偽物の血で汚しておいた白衣を死体の上にかけた…」
瑞希「これら一連の偽装工作をする事で、殺人が起きた時間帯を誤認させようとしたんだよ」
奏「………………」
司「だ、だが…その偽装工作をする為には、スプリンクラーが終わった後、植物庭園に行かなければならないな…」
瑞希「大した時間はかからないよ。だって、ビニールシートを回収した後、用意しておいた白衣をかけるだけだからね」
奏「それは…そうだけど…」
瑞希「みのりちゃんは、食堂で奏と会った後、一緒に行動したの?」
みのり「ううん…私は先に行ってて…奏ちゃんは後から遅れて来たよ…」
瑞希「じゃあその時間に行けるよね」
奏「え、え…!?」
瑞希「不可能とは言いきれないはずだよ?」
奏「う…」
みのり「振り出しに戻ったね…容疑者は2人だよ…」
絵名「こ、これ…どっちが犯人なの…?」
雫「お、思い切って運に任せましょう!2分の1だもの!」
愛莉「あ…!」
雫「ね、いいアイデアでしょう?」
愛莉「そうじゃなくて…!すごい事思い出したんだけど…」
えむ「え、本当!?なになに?」
愛莉「現場に黒焦げのナイフが落ちてたわよね?」
絵名「うん…それがどうしたの…?」
愛莉「あれ…宵崎さんが預かってたナイフじゃ…」
奏「…………」
穂波「驚かない…ってことは、気づいていたんですね…」
奏「うん…」
冬弥「じゃあ、なぜ隠していたんだ?」
奏「隠してたわけじゃないけど…だけど…」
昨日襲われた時、私が反撃をしてしまったんじゃないかって…
司「あ、怪しいな…」
絵名「奏が犯人なの…?そうなの…?」
でも、ここまで話を聞いて分かった…
私は…犯人じゃない…!
愛莉「あの死体に刺さっていたナイフって…」
えむ「あたしが奏ちゃんに預けたナイフだよ!」
みのり「あのナイフを持っていたとなると…犯人は奏ちゃんしか考えられない…」
奏「私はナイフを預かってただけだよ?どうして私が犯人になるの…?」
雫「だって、致命傷はナイフの傷なのよ…?」
奏「そもそも、ナイフの傷は致命傷じゃなかったんだよ…!」
奏「それはさっきの偽装工作の話でも明らかになったはず…」
絵名「そんな話したっけ…?」
奏「思い出して…犯人は、死体にビニールシートを被せた後で血痕付きの白衣を着せたんだよね…?」
奏「つまり、被害者があの白衣を着たのは、死んだ後って事になる…」
司「それがどうしたんだ…?」
奏「だけど、私たちが見つけた時、ナイフは白衣の上から刺さっていたよね…」
愛莉「同じ場所を2回刺したとかじゃないの?殺す時と、偽装工作の時の2回…」
奏「モノクマファイルにもあったよ。ナイフによる刺し傷は1つだって…」
愛莉「あ…本当ね…」
みのり「じゃあ、あのナイフも偽装工作だったんだ…!」
冬弥「死体発見時にナイフの傷を印象付けておいて、その後、死体を爆破する…」
冬弥「そうする事で、最初の印象だけを残したまま、証拠隠滅を図ったと言う事だな」
絵名「そういえば、なんであの時爆発したの?」
奏「あれは体育館にあった爆弾だよ。現場に破片が落ちてたからね」
絵名「なるほど…」
類「宵崎さんに容疑が掛かるため、そんな事を仕向けて得をする人と言えば…もう1人の容疑の瑞希しかいないね?」
瑞希「………」
奏「ちょ、ちょっと待って…!もう少し話さないと分からないよ…!」
司「そうだな…ならば、結局本当の致命傷とはなんだったんだ?」
類「では、議論を続けようか…致命傷がハッキリしてないんだったね?」
奏「致命傷は…後頭部の打撃痕だったはず…」
えむ「全身の無数の傷って言うのは?これは関係ないのかな?」
奏「モノクマによると、それは前からあった古い傷みたいだよ」
絵名「打撃って…凶器はなんなの?」
愛莉「モノクマファイルには鉄パイプ程度の太さの…棒状の物で殴られたと書いているけれど…」
類「凶器なら見つけているよ」
類「おそらく、武道館のロッカーにあったジュラルミン製の矢だろうね」
みのり「本当にそうなのかな…?」
みのり「だって、モノクマファイルには鉄パイプ程度の太さの棒状の物って書かれてるよ?矢だと細すぎると思うけど…」
奏「ロッカーの中にはガムテープもあったんだ。きっと、犯人はガムテープを使って矢を束ねたんだよ」
類「そして、ロッカーの鍵は瑞希の部屋にあった。だから犯人は瑞希…どうだい?」
瑞希「…………」
瑞希「…鍵がボクの部屋にあったの?」
類「そうだよ」
瑞希「………………」
奏「あ、あのさ瑞希…聞きたいことがあるんだけど…」
奏「昨日の夜、私の部屋に居たよね…?どうして来たの…?何があったの…?」
瑞希「…ボクは…奏を助けただけ…」
奏「えっ…?」
も、もしかして…
襲われてる私を助けに来てくれて…
それで…その時に…!?
だとしたら…私のせいで殺人を…っ?
みのり「じゃあ…瑞希ちゃんが犯人なんだね…?」
瑞希「まって!ボクは犯人じゃない!」
瑞希「そうだ…ボクの部屋の鍵、類が持ってたよね?」
瑞希「ボクは部屋に入れないのに、どうして鍵を部屋に置けるのかな?」
司「確かにそうなるな…」
奏「…………」
ううん、違う…今の瑞希は…嘘をついてる…
こんなの…瑞希らしくないよ…こんな苦し紛れの嘘で乗り切ろうとするなんて…
…………
そこまで追い詰められてるから…?犯人だから…?
それとも…瑞希の言葉に何か秘密があるの…?
黒幕の罠…?黒幕が…瑞希を犯人にしようと…?
だけどもし…もしそれが違ったら…!
…どうしたらいいの…?
どうすれば…?
瑞希の嘘に気づいたのは私だけ…
それを指摘できるのも私だけ…
瑞希の嘘を…追及する…?
今…ここで決めないと…!!
--- 嘘を追及する ---
--- 嘘を追及しない ---
コメントで教えてください!
ストーリーは分岐しますが、結末が変わることはありません!