公開中
片想い
るるるーら
キャラ
朝雲 咲 あさぐもさき
鈴川 凪希 すずかわなき
お願いしまーす
「咲、お前彼氏できたんだって?」
学校の窓に顔を出しながら凪希は言った。
同じく窓に手をかけていた咲は「えー?」と冗談ぽく笑った。
「赤坂だろ。いいやつなん?」
「んー。他クラだしよく知らないけど、体育館で目に入るたび、かわいいって思っててくれてたらしい」
ふーん、と自分で聞いておきながら凪希は複雑そうな顔をした。
窓の下にいる赤坂、【彼氏】に手を振る咲を見て、凪希はそれを口にした。
「ま、俺の方が咲のこと好きだけどね」
「…へっっっ?」
しばらく上を向いていた咲だったが、頭の整理をしていたのであろう、意味が分かってから、とたんに頬を赤らめた。みるみる薄いピンクに染まっていく顔を手で挟むように抑えながら咲は聞く。
「あたしのこと、すきっ…てこと??」
「…あ」
言ってしまった、と気づいた時にはもう遅い。自分の鼓動が早くなり、耳の先からつまさきまで脈打っているような感覚になる。
「ご、ごめん。まだ付き合ったばかりだし、答えられない…そんなすぐには。で、でも、ありがと、ナキ…」
「いいよ。キィ使わんで。忘れて。今日の、…こと」
「ふぇぇ…?」
とりあえず、という感じで廊下を歩く。
他の生徒もいるのに、自分の足音と鼓動、髪が揺れて肌に当たった時の音、歩く時のズボンとズボンが擦れ合う音。そんな音がやけにうるさい。
相変わらず咲は真っ赤である。
「…っし!!」
咲は1人でガッツポーズをし、凪希に視線を向ける。
「ナキっ!」
「はいっ!?」
突然の大声で肩を震わせたものの、凪希は平然を装う。
心の中はパンクしそうな情報でいっぱいだ。頭が割れそう。
「忘れないよ。ナキが私に向けてくれてた気持ち、伝えてくれた想い。無駄になんかできないもん!」
「は、はあ…」
「だからね!忘れないよ。今は答えられないけど。いつかちゃんと考えるし!ね!」
こういうとこはマジで咲だなとつくづく思う。
ありがとう、と鼻をすすり、赤い鼻を押さえ、咲の隣を凪希は歩いた。
「別れたあ…」
「はやっ」
「うっせえ!」
咲は凪希にローキックする。
いてて、と言いながら凪希は少し喜んでいる自分を感じ取った。
「で、なんでなん?」
「思ってた性格とは違う、って…。じゃあ赤坂くんは私のどこを好きになったわけ?」
「それくらいで別れるなら、その程度の愛だったんだろ」
むっと頬を膨らませる咲を見ながら、これなら、付き合えるかなと邪な考えばかりが浮かぶ。
バカか、俺は。そう思って凪希は自分の頬をペチンと叩く。
「なーにやってんだ、ナキ」
「なんでもないなんでもない」
風で、咲の髪がなびく。うっすら、涙が浮いているように見えた。
「…あのさ。告白、の、返事だけど」
「…あ、…うん…」
「俺じゃ、だめ、かな」
「…」
「俺はっ、あ、さ、咲をっ、赤坂よりっ、あ、ああああ…あいすす…愛す…っからっ…」
やばい。耳まで脈打ってる。死ぬ??
「ッ〜〜っ!!」
咲が声にならない声をあげて、凪希の肩をガッと掴んで下を向く。
「ごめん…凪希とは、付き合えない」
「…は」
予想していたこと。大丈夫。想定の範囲内。大丈夫。大丈夫。
自然に、涙があふれていた。
それに気づいたのか、咲は上を向く。
俺より背の小さい咲は俺を見つめる。
俺の涙は、咲の目に、ぽちゃんと滴り、流れていく。
そのうち、先も涙し始めた。
「ッ、なんで咲も…」
「ははっ、あははっははっ。う、うぅ…」
二人で泣いて、俺たちは、一つになった。
なんか内容薄い…?笑