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少しづつ、恋する5秒前。 侑李side
侑李...男子。莉桜とバスケの試合に勝ったら付き合うという約束をしている。
莉桜...女子。侑李と両片思い。約束は自分から結んだ。
「侑李!」
声が聞こえる。
「頑張って〜!!応援してるよっ!!」
緊張の声と応援の声が入り乱れている中、そんな一つの声だけが俺の耳に届く。
―莉桜。俺の、好きな人。あんな約束をするなんて思ってもいなかった。
『侑李、今度のバスケの試合...勝ったら、あたしと付き合ってよ。』
クラスの、ムードメーカー。ギャル的存在。正直、性格も見た目も好みだ。
肌が焦げ茶気味で、髪は茶髪のメッシュが入った黒髪。ちょっとやんちゃで、ツンデレ要素の入った元気っ子。そんなとこが、好きになった。全く関わりのない、たまたま高校が被っただけ。
それで、こんなに好きになるのか、と意外だ。
バスケットボールが床から跳ねる音。誰かの靴と床が擦れる音。
小さな音も、しっかり聞こえる。
―今だ。翔べ、翔ぶんだ。俺の...足!!
目をつむった。俺の手がバスケットボールを投げた感触がする。
「さぁどうなる、さぁどうなる!?」
--- シューーーーーーーーーーーーーーーート!!!!!!!!!!!!!!! ---
そんな司会の声とともに、目の前がフェードイン。
どん、とバスケットボールが床についた音と一気に上がる歓声。
いつもなら快感を覚えるが、今日は違う。
大声で、叫ぶ。
「莉桜!!好きだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
それに対しても、また歓声と拍手のパレード。
「侑李...」
友達「莉桜?どしたの?」
「ゆ、侑李ぃィィィィ!!!私も好きっ!!!!!だから、だからっ...」
「約束、守るよね!???!!!??」
俺は笑顔で、返事はせずに試合を終わらせた。