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鏡の花と未来⑨
「え………?」
何故だか、目の前にはいつもの神社の御神木があった。苔むした岩と、鳴いているセミ。鏡花と凪は、神都ではないいつもの世界にいた。
「どういうこと…?ねえ凪、アンタさっきまでどこにいた?」
「神都。」
「だよね。」
半袖にショートパンツの服装もそのまま。
「私たちがいない間、こっちの世界は時が止まってたの?」
「そんなはずない。未来がいなくなった時は、未来がいないものとして時が進んでた。」
(おかしい。絶対におかしい。)
「とりあえず、家に帰って色々考えよう。」
*
「でさー、そこで…ねえ鏡花聞いてる?」
「あ、ごめん聞いてなかった。」
授業中も今も、鏡花の頭の中は神都と未来のことでいっぱいいっぱいだった。放課後になり、家へランドセルを置くとすぐさま凪と神社へ向かった。
*
「どうしようマジで……」
御神木に頭を打ち付けながら鏡花は呟いた。
「お前またやってんの?」
「前こうしたら行けたから。」
「単純だな。」
(未来に会いたい、未来に会いたい……)
心の中で唱えながら御神木に頭を打ち付け続ける。
「おいそろそろ辞めとけ……」
「あっ、光った!」
あの日のように、御神木が光った。
「行くよ!凪!」
「お前こういう時の行動力はすげぇよな…」
鏡花と凪は、光る御神木に飛び込んだ。
*
「未来‼︎」
鏡花と凪の目の前には、一昨日以降会っていない未来がいた。左腕には前無かった包帯が巻かれている。
「どうしたの?それ。」
「火傷。最後の一人救出した時、爆発起こってちょっと巻き込まれた。大丈夫だよ。」
「会いたかった……っ、」
涙が溢れ、思わず未来に抱きつく鏡花。会わなかったのはたった一日と少しなのにすごく懐かしく感じる。
「二人共。感動の再会のところ悪いがちょっと話がある。私と一緒に来い。」
いつもと違い真顔の稲荷に着いて行く三人。
「凪は聞いても聞かなくてもいいかな。」
臨時的に建てられた宿舎の談話室に、鏡花と未来と向き合うように稲荷が座る。凪は二人の後ろに立っていた。
「お前ら、神都ではなく人間の世界に戻りたいか?」
「当たり前でしょ。」
「僕ら人間だし。」
「ハアーー………ホントに覚えてねえのか……」
稲荷は深くため息をついた。
「あのな、結論から言うと、お前らは人間じゃない。神だ。」
「「はあ?」」
(そうなるよな……)
「お前らは神だった頃の記憶を無くしてる。」
「とりあえず一から説明して。アンタ一からじゃなくて三ぐらいから説明してっから。」
「はいはい。まずは、お前らは人間の世界で生まれたんだ。」
面倒くせえ、というような顔で稲荷は説明を始めた。
ぱるしいです!自分でも良いものが書けてる気がします。このまま最終回まで突っ走るゼ☆