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〖不可視の襲撃〗
こちらの至らぬ点がありまして、次回から出す参加者様のものを後回しという形にさせていただきました。大変申し訳ありません。
タイトルの者は本来、粗方出した後にオリジナルとして出す予定だったものです。
以上のことを踏まえて、お読み下さい。
初手からふざけていますが、ちゃんと反省しています。信じて下さい。
また、初期から本作のみ書き方を変える感じにしています。
語り手:橘一護
太平洋などに囲まれ、ほとんどが温暖湿潤気候に属する島国、日本列島。
その温暖湿潤気候の県におそらく、いや、きっと存在し、施設マニアックな人しか知らないところに木々に囲まれ、山に位置する大きな商業施設(アルバイト、募集中)があるだろう。
そこには、様々な異能力を持ちサービスに飢えた消費者を相手にする従業員がいる。
金にがめついマネージャー、理不尽な消費者、少ない給料...従業員は今日も行く。
...多分。
●橘一護
18歳、男性。大学生。彼女はいない。彼氏もいない。明日も明後日もいない。
いるのは、労働。あるのは、労働。それだけだ。
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バイトリーダーの柳田善と共に食品の期限切れを調べる橘一護の姿。
牛乳、パン、チーズ...乳製品は腐りやすいですから。しょうがない。
「あ、これ5月9日までですよ」
「え?あ、ホントだ。ありがと~」
柳田が一護の指定した商品を廃棄箱と印された箱へ入れていく。
次々と入っていく商品は様々でその商品のパッケージに反射して映る妙な格好をした空知翔のことなど、気にもしない。
「ねぇ、ちょっと...店長!バイトリーダー!柳田さん!善さん!!」
吠える空知翔のことも気にしない。しかし、柳田だけが振り替えって言葉を返した。少し、吹き出した。
「...なぁ、なぁに~?」
「僕の格好!言うことはっ?」
そこで一護も振り替える。そして、吹き出した。
「っは、はは、ははははっ!!」
「うぉい、笑うな!」
空知翔。従業員専用の扉を開けて、任されたのは子供の接客だった。
かと言って、その凛々し...醜...
「あんだって?」
その凛々しい顔では少々怖がられるだろうとのことで、着ぐるみを着用してでの対応になった。
その着ぐるみは、アヒルの着ぐるみ。白くふわふわとしたボディに丸く黒い瞳、尖った黄色の嘴と二本の脚。
そんな可愛らしい着ぐるみの中に成人男性が入っているなんて考えたら、笑わずにはいられないのである。
「だって、空知先輩!こんなの笑うなって言う方が難しいじゃないですか!」
「やかましい!お前、今度お前の番になったら盛大に笑ってやるからな!」
そう文句を垂れているが、実際は可愛いアヒルがぷりぷりと怒っている状況。全く怖くない。むしろ可愛い。中身は成人男性だけど。
「あ~...うん、っふ、は、かわ、可愛いんじゃ、ない?」
「笑うのを堪えろよ」
男性らしい低音の声。着ぐるみに合わないそれが更に笑いを引き立て、この場にいる全員が笑いの渦に包まれる。やがて、それが収まった辺りで一人の女性がやってきた。
「すみません、店長。惣菜担当の日村さんが手を包丁でちょっとやっちゃったみたいで...」
「マジ?今行く、怪我は浅い?」
「はい、指を軽く切っただけなので」
「了解~...救急箱持ってく」
柳田がそう言って女性についていく。女性の外見?そうですね、じゃ黒髪の密編みの眼鏡っ子ってことにしましょう。可愛いですね、そこのアヒルよりは。
そして、残された二人は...いえ、一人は隣の着ぐるみに笑いを堪えながら黙々と作業をしていった。
『開店時間です!』
そうアナウンスが鳴った。
「開店時間ですって、アヒル2号君」
「そうですね、アヒル1号先輩」
お前ら実は仲良しだろ。
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開店時間になって、多種多様な人種の一般市民が続々と入ってくる。
レジに立ちながら少しの間、暇をしている一護と柳田の話も続く。
「あれ、普通の方もいるんですね」
「そりゃあね。行政の金で補っているとは言え、収入低いから」
「へぇ~...国家様々ですね」
しかし、今の日本は...おっと、この話は別の機会にしましょう。
アヒルの着ぐるみを着た空知は見立て通り、子供に人気で抱っこをせがむ子供、後ろのジッパーを開けようとする子供、着ぐるみそのものを引っ張る子供...厄介な子供ばかり。
「...ちょっと、あの業務だけはやりたくない気がしてきました」
「分かるよ。人様の子供の面倒なんて、金貰わないかぎりやりたくないよね」
性格が出ています。ちなみにこの時点で1692文字です。あっ、1700文字を越えました。
「...メタいなぁ...」
大抵、1000文字越えの作品しか書いてないんで。
やがて商品を手に取った消費者がレジに並び、「遅い」だの「もっと上手くやれ」だのと新人にもきつい言葉を浴びせる。しかし、
「中学ん時の剣道部の頑固顧問爺よりはマシだな」
一護は慣れていました。悲しいですね。
その業務が昼頃になった頃。
ジリリリリと警報が鳴り響いて、一般市民が外へ出ていく。従業員は惣菜や清掃、精算担当なども同様に出ていった。
残ったのは、橘一護、柳田善、見知らぬ女性...そして、アヒル...失礼、空知翔。
一護の見知らぬ女性は救護・情報担当の山田さんという方です。つまり、戦えるのは|男性《野郎》三人です。
「華がない!」
アヒルが叫びました。クワッとは鳴きませんでした。
山田さんは残りましたが、三人とは別のところで万が一、怪我をした時の処置の準備をしています。
「あの、山田さんって...?」
「|山田純子《やまだじゅんこ》さんだね。覚えなくていいよ」
と言われたので、一護はメモりませんでした。
「了解です、それで消費者の方は?」
「それが、ねぇ...いるんだけど、いないらしい」
「...どういうことですか?」
「そのままの意味。山田さんから訊いたんだけど、いる反応はあるけど姿を確認できていない。
つまり_」
その言葉の続きを言おうとした瞬間、何かが風を切る感覚がした。
店内の商品棚が豪快に倒れている。そこにいた。
また、商品棚が倒れてる。姿は見えないが、確かにそこにいる。
「...ああ、なるほど」
柳田が納得するような声を出して、アヒル...あ、もう良いですか、そうですか。空知に指示を出した。
「翔。君さ、銃ある?」
「あるよ、撃とうか?」
「撃てば良いよ」
「了解」
空知がアヒルの着ぐるみのどこから出したのかそこそこ大きめの銃器(FN P90のような形状のサブマシンガン)を両手でしっかり持って、乱射していく。
色々な物に当たって、例えば、某馬鈴薯スナックの袋が蜂の巣になりました。中身はきっと粉々でしょう。
物凄い轟音を響かせながら、やがて悲鳴が挙がりました。動く細長い何かがお店の商品を複数持って赤い液体を垂らしながら逃げていきました。
「...あれ、ですかね?」
「おそらく。多分、能力のメインは...」
--- 〖透明〗 ---
でも、体液は透明にならないんですね。あくまで自分の身体だけのようです。
「能力が分かったのは良いとして、どうするんですか?」
「う~ん...万引きの透明能力の消費者っぽいよね」
「店長。他にも能力があるかもしれないよ。例えば、範囲型とか」
「いやぁ、流石にないんじゃない?個人での透明っぽいし。だから、多分...早めに終わるかもね」
物凄い早さで傷が完治していく人型の透明人。
銃だけにじゅぅと傷が治り、部屋の周りの段ボールを倒して壁を作っていく。
そして、中央にてふんぞりかえると先程の野郎三人を今か今かと待ち続ける。
その部屋の扉看板には、〖倉庫室〗とかかれていた。