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愛は、時代を越えて。 1話
「いや、どこだよここ。」
私、|二藤《にとう》かぐやは現在高校1年生。秋の連休ってことで友達と一泊二日の旅行に来たんだけど…いつのまにか見覚えのないところにいた。多分列車の中なんだけど、私たちが乗る予定だったのとは違う。それに一緒にいた友達いないし。何より、自分が着物を着ていることが謎すぎる。帯きついんだけど。それに、時間も違うみたい。さっきまでは午後の2時ぐらいだったけど、窓の外はもう夜。空は明るいけど街灯が点いてるっぽい。
「貴方、迷子ですか?」
あたりを見回していると、緑の書生服を着た黒髪のメガネイケメンが私の向かいに座っていた。
「迷子ですけど、それより貴方誰ですか。」
私は警戒心丸出しで聞いてみる。
「|時和和音《ときわかずね》といいます。20歳です。よろしくお願いします。貴方は?」
丁寧な口調でその人は答えた。
「二藤かぐや。16歳の高2。」
ぶっきらぼうに答える。
「あのさあ……ここどこ?今何時?」
「ここは浅草ですよ。今は夜ですが、外、だいぶ明るいでしょう?街灯が灯ってるんです。時間は…午後の6時半ぐらいでしょうか。」
え、いや、夕方っつーかほぼ夜やん。しかも私がさっきまで居たの浅草じゃないし!
「今って西暦何年?元号は?何月何日?」
「西暦1923年、大正12年です。今日は8月の28日ですよ。」
「8月っ⁉︎」
え⁉︎さっきまで2023年の9月だったんだけど⁉︎じゃあ私……
「タイムスリップしたの………?」
私は呟いた。
このお話結末しか考えてないんですけど。やばいっすね。