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雲と空と黒板とシャーペンの音と、ただそれだけ。
私は、ふと窓の外を見た。
絵に描いたような入道雲と、真っ青な空。
耳をすますと、シャーペンのカリカリ、といった音が聞こえる。
私のクラスの数学の担当の先生は、とても声が良い。
超絶に、眠くなる。
ほら、私のななめうしろの席の子が机に突っぷしているのだろう。
クスクスと笑う声が聞こえる。
その子は、常習犯だった。
そっと、その子の名前を呼ぶ声が聞こえる。
先生は変わらず、眠くなる良い声で数式の解説をしている。
私は、また窓の外を見た。
唐突に、絵を描きたい、と思った。
この空を描きたい、と。
この場面を描きたい、と。
そう、唐突に。
私にとってはよくあることで。
あ、良いな。描きたい。
と、そう思うことがある。
私は、前を向いて黒板に書いてある文字を目で追った。
ノートに書き写す。
カリカリ、とシャーペンの音が鳴った。
静かな教室。
先生の声。
チョークが黒板をたたく音。
シャーペンの音。
カチカチ、とペン先を出す音。
劇的な何かがあるわけではない。
ただ、なにげない。
ただ、それだけの時間。
人生において、ほんの一瞬。
でも、私は
この場所が、この音が、この雰囲気が、この時間が
好きだ。