公開中
女子生徒A 第五話
林沢レオ
文字。
文字が見える。
人。
人がいっぱいいる。ここはどこだろう。
思い出した。また吐きそうになる。
---
あの後私は蹴られ殴られ散々だった。小一時間ほど暴行を受け、写真を撮られた後、部屋から追い出された。
あいつらの顔はもう思い出せない。思い出したくない。
私はなぜこんな仕打ちを受けているんだろう。
私はなぜこんな思いをしなきゃならないんだろう。
---
ようやっと家へ帰ってきた。
今日もおかえりはない。
---
トト。子供の頃一番お気に入りだったおもちゃだ。
今でも枕元に置いて寝てる。
夜中、目が覚めて私は台所へ向かった。喉が渇いた。麦茶が飲みたい。
ここのところ何も上手くいっていない。最悪の気分だ。
私はベッドに戻ったが眠れない。誰かが話しかけてくる感じがする。世の中の全員が私を責め立てているような気がする。遠くで声が聞こえる。近くでも声が聞こえる。私は死ななきゃいけない。何もかも捨てないと、何もかも終わらせないと。トトが喋った気がした。
「ういちゃんはね」
「ういちゃんはね」
「ういちゃんはね」
「可哀想なふりしてるだけなんだよ」
「自分の個人的な悩みをね」
「お兄ちゃんが死んだことと勝手に結びつけて」
「発散したいだけなんだよ」
「ういちゃんよりもね」
「辛い人はいっぱいいるんだよ」
「ういちゃんは幸せ者なんだよ」