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5分前、
『世界5分前仮説』というものを、貴方はご存知だろうか?イギリスの哲学者である、バートランド・ラッセルが考え出した、哲学の仮説だ。
『10分前』、貴方はお茶を飲んだとする。そして、お茶が入っていたコップは空っぽ。そして、スマホかタブレットかを開き、この小説を読んでいるだろう。
果たして、この『お茶を飲んだ』という動作は、本当にしたのだろうか?というものだ。
普通に考えると、
「ちゃんと飲みました」
と思うだろう。
でも、本当にお茶を飲んだのだろうか?
「コップは空っぽだし、喉は乾いていません。それに、飲んだ記憶もあります」
と思うはず。
でも、世界が『5分前』に作られたとしたら?
空っぽのままコップが生まれ、乾いていない喉を持った貴方が生まれ、飲んだ記憶が刷り込まれていたとしたら?
記憶が『5分前』に作られたとしたら、『世界5分前仮説』を反論することも、証明することもできない。本当に世界は『5分以上前』から存在していたのか、『5分前』に作られたのか、わからない。
話の本質はそこではなく、
「私たちが『過去に起こったこと』と信じていることは、本当に起こったと断言できるのか?」
という、哲学的なものだ。
「わたしたちが信じている『過去』や『真実』は本当なのだろうか?」
「『正しい』『事実だ』と思われているものは、本当にそうなのだろうか?」
そんな問いをわかりやすくしたのが、『世界5分前仮説』。
絶対に違う?本当にそう思います?
この物語、『5分前』に____
むっっっっっっっっっず