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プロローグ
私の視界の周りをうろちょろする小さい生き物たち。
「周さん、おはようです〜」
首の長い《《ろくろ首》》は地面から首を伸ばし私の目線に合わせて挨拶してくる。
「周さん、おはよう。今日もお美しいね……」
気取った感じでそう言ってくるのは緑色の体をした手のひらサイズの《《河童》》。
「周さん!おはよう〜〜!!」
いかにも元気な声で声をかけてくるのは私の頭一個分くらいの大きさの、《《化け狸》》。
「おはよう」
最後に私は《《妖怪》》たちに挨拶して、高校へ向かった。
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高校に行ったはいいものの、
「今日はやたらとでかい『悪霊』がいるなぁ……」
高校の中に絶大なエネルギーを持っている悪霊がいる。
……放っておくとやばいな。
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私は昔から霊感が強く、人ならざるものが視える。
それは|妖怪《あやかし》だったり神様だったりこの世に未練があり成仏できなかった霊──または未練が残りすぎて悪霊と化したものだったり──が視える。
妖怪や霊は結構そこら辺にうろちょろしているし、私が「視える」人間だと気づけば挨拶してくる。
意外とフレンドリーなのだ。本で見るように人を喰らうわけでもないし。
神様をみかけるのはごく稀だが妖怪の揉め事に目をつけて止めに行ってるところをみる時がある。
神様は結構苦労人……ではなく苦労神なのだろう。まるで妖のお母さんみたいだ。
……そんなこんなだが悪霊とはこの世に未練がある霊が成仏出来ずに一年以上経つと悪霊化することがある。悪霊はだいぶ厄介で、周りのものを破壊しまくるのだ。普通の霊ならものに触れたりできないし当然壊すこともできないが悪霊は何故か物を破壊したりできる力を持つ。だが悪霊の暴走を止めるには「待つ」しか方法がない。暴走が止まるまで待って悪霊のエネルギーが尽きるまで待つのだ。
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「高校内で暴れられたら困る……」
高校に未練のある霊……生前はこの高校の生徒だったのかもしれない。
普通の人に霊はみえない。だから私以外の人には物が勝手に壊れ出したようにしか見えない。
案の定悪霊は暴れ出した。
悪霊は、私に向かってそこにあった何かの資料のファイル(重いやつ)を投げてくる。
「うわぁっ!?」
思わず悲鳴をあげて危機一髪で避ける。
……私の悲鳴に釣られて人が集まってきた。
「うわ?!何これ、風邪強っ!」
「ん?パキパキって……あ、スマホケースが勝手に割れた!?え、なんで!?!?」
やばい、みんなパニック状態だ……、どうしよう。
悪霊の暴走は止まる気配がない。
「──消えろ」
途端に、声がした。辺り一面がピカっとひかる。眩しくて目を瞑る。
次に目を開けると、そこには悪霊はいないし、投げつけられたファイルも元の位置に戻ってる。
そして神々しい浮世離れした着物の青年が目の前にいる。
私は直感でさとる。
この人は神様だ──と。
「無事か、周」
「え?……私は無事ですが……」
「お前に頼みたいことがある」
ん?急展開。なんの説明もなく頼み事ですか……?
「妖怪の世話を頼みたい」
……説明求む!!