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無現時計屋
ここは無現時計屋。
『現実では無い時計屋』と書きます。
あなたがご来店しました、たった今、オープンいたしました。
あなたが初客ですよ。
何々?時計が欲しくて見に来た?
すみません。
ここの店には物の時計ではなく、あなた方の『人生』の時計を売っているのですよ。
チャリンチャリーン
おっと、お客が来てしまったのでまたあとで、、、
ん?『人生』の時計を見てみたい?
いいですよ。では、今ご来店なさったお客様の時計をご覧いただきましょうか。
私についてきて下さいな。
おっと。危ない危ない。
忘れるところでした。
これからご覧いただく時計は、随分と針の進みが速いのですよ。
なので、現実、あなたの時の在り方を忘れないようにしてくださいね。
もし、自分の時計を忘れてしまった場合、時の復讐がやってきます。自分と別のお客様の時の狭間に閉じ込められてしまうのでご注意を。
では、私はあのお客様をご案内しますので、お客様は自分のペースでついてきてください。
決して自分の時計を忘れないで下さい。
いいですね?
では、ごゆっくり。