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ブルーモーメント one
物騒なニュースが飛び交ってますね。みはなだです。ご冥福をお祈りします。
今回は自己満足ショート集の更新として、匿名さんからのリクエスト「一夏の冒険」をテーマに書いていこうと思います。ショートと言いつつ、「one」がついてるところから察するかもですがシリーズになります。そこまで長くならないと思うけど。
ネガティブな女の子がほわほわした生き物達と自殺の旅に出る話です((
生まれたときから、”負けて”いた。
……ちっちゃいときは、そんなの気にもしなかったけど。
小学生の頃の好きだった先生が、”勝っている”子に「完璧だし悪いところないよね」って言ってるところを見た瞬間に、あの子は”勝って”るんだなって。
先生といえど、所詮人だし。やっぱりそういう目で見てしまうのはしょうがないことで。でも、そのときの自分はどうしようもなくそれがショックで。
その子は、勉強も運動もできる上に性格も悪い頃が見当たらなかった。容姿も、ぱっちりとした二重に程よく筋肉がついた細い手足。……完全に、”勝ち”。
勉強もできないし。
運動もできないし。
愛想も良くないし。
特徴なんて見つからない容姿だし。
「あーあ……」
”負け”は”負け”を認めるしかないのだ。どうせ、”勝ち”になんて追いつけない。馬鹿みたいに、努力するだけ無駄。
”負け”の私に、価値なんてない。
*
『どうして上手く出来ないの?』
散々、聞き飽きた言葉。
出来ないから出来ない。ただ、それだけの単純な話。
知らないよ。だって、出来ないんだもん。勉強も運動も。上手に、生きることも。
どうやって上手く生きればいいかわからない。わからないんだ。ただ笑みを浮かべていたら上手くいく?今更無駄でしょう?
「……どこかに、消えちゃったら」
どこかに、消えちゃったら。
楽になれる?
上手く生きようと頑張らなくていい?
まだ7月の前半だというのに蝉は生き生きと荒々しい程に生命を主張している。紫陽花はいつしか枯れ、向日葵にその座を譲っていた。
*
さて、どうやって死のうかな。
財布と水を押し込んだリュックを背負って、最後の夏の冒険を始める。
あの夏が飽和する。っぽくなっちゃったけど許して。
ちなみにこれ読んで自分は”負け”やんもうだめやんって病んじゃった人ごめんなさい負けとか勝ちとかないからね本当に真に受けちゃって病まないでね(((