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音のまま演じ切れ #1
**設定**
広瀬#名前#
人見知り。演劇&怪異オタク。一人称が「おれ」で「っす」が口癖。カワボ。
**第一話 マジ無理ゲーっす**
今日、この学校に転校生が来る。
よくある物語なら、自分は在校生で不思議な転校生を迎えるんだろうけれど__残念ながら、おれがその『転校生』だ。
「__いや、無理無理無理無理無理無理。無理っすよぉ、初対面の陽キャ共の塊に割り込むとか……。レベル1の勇者がラスボスのいる城に飛び込むのと同じくらい無理ゲーっす!__」
ついでに言うと、めちゃくちゃ人見知りである。
喚きたいけど変な人だと思われたくないから小声にするという、このヘタレっぷりよ。
(我ながら情けないっす……まぁ、今に始まった話じゃないっすけど)
「呼んだら入って来てくださいね、広瀬さん」
「ぁ、はいっ」
(時よ止まれぇええええっ!)
「__入って来てくださーい__」
(もうっ?! 早過ぎっす!)
先生の合図の早さに内心絶叫しつつ、平静を装ってドアを開ける。
「ひ、広瀬#名前#っす! よ、よろしくお願いします」
「声可愛い!」「席近くがいいなぁ」「どこから来たんだろ?」
クラスのざわめきに思わず半歩後ずさる。
「……ひっ……」
(頼む、大人しい人の隣の席であってくれ!)
そう懇願していると、先生が早速それを口にした。
「席は……高倉の隣が空いてるな」
「えっ、ジブンですか?」
隣の席は、黒短髪に眼鏡の男子かぁ。
(__良さそうな人だぁあああああああっ!!)
命拾いした気分で席に着く。
「あっジブン、高倉健って言います」
「高倉さん、っすね。よ、よろしくっす」
そう返し、ふと彼の机を見ると、オカルト雑誌が置いてある。
(わ、同志だぁ……! 仲良くなれそうっす〜……!)
感動に耽っていると、いつの間にかHRが終わっていた。
あんましだな、って思った人!
続き見て! これから面白くなるのっ!(
お願いぃいいいっ!!