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#2 大事な場所
書き方難しい…!
皆様に参加してもらったからには頑張って書きますが、なんか口調や性格で変なところがあったら教えてください💦
物語が7時以降の話なので7時出勤の子は登場していません。次回のそのまた次回くらいに登場する予定です…!(予定がズレるかも)
▷クロワside
「おはよぉ。皆元気ぃ?」
俺の挨拶には聞こえたのか聞こえてないのかわからないが、誰も返事しなかった。少し寂しい。
今日はなぜか珍しく、仕事に行った奴らを除いて大体のやつが朝食の準備をしていた。当番じゃない奴は各々自由にのんびりしてる。手伝わせては怪我をしそうで怖いからアンジュをいつも通り椅子に座らせ、俺は朝食の準備を手伝いに行く。朝は作り置きの料理を運ぶだけだから料理当番の俺の出番はないけど、当番なのに何もしないのは駄目だもんねぇ。運ぶだけでも手伝おう。
△▼△▼△
キッチンに行くと、ちょうどそこから出ようとしたペラスとぶつかりかけた。お互いにギリギリで避けたからぶつからなかったけど、ぶつかったらペラスの手にある料理がグチャグチャになってただろうなぁ。ほんとヒヤヒヤする。
「おはよぉ。なんか手伝うことある?」
「おはようゴザイマス。運ぶのも後少しだけナノデ、クロワは戻ってもらって平気デス。」
「そう?なんか今日は早いねぇ。」
「クロワは起きてきまセンデシタシ、アタくしもリリアンも今日仕事ナノデ早めに準備をしまシタ。」
「え、二人とも今日仕事だったっけ!?忘れてた…ていうか、それなら起こしてよぉ!気付かず寝てた俺最悪すぎるでしょ!?」
「呼びに行ったけど、アンジュちゃんが『クロワさん、昨日夜更かししちゃって今寝てるから出れないの』って言ってたからやめたんだよ〜!」
料理を食卓に運び終わって戻ってきたのか、リリアンが後ろからいきなり声をかけてきた。びっくりした…けど、気になることを言っていた。
「リリアン、アンジュがなんだって?」
飲み物の準備をしながらリリアンが俺が言ったことに反応する。
「え?だから、『クロワさんは寝てるから今無理』ってアンジュちゃんが言ってたから朝呼ぶの諦めたんだよ…?」
アンジュがそんなこと言ってたとは…知らなかった。まぁ確かに、昨日の夜はアンジュの新しい服を作るのを楽しんじゃって寝たのは大分朝方だったけど、それを寝てたはずのアンジュが知ってたことに驚いている。アンジュに気を使わせるなんて俺もまだまだだなぁ。
「…何を考えてるか知りまセンガ、退いてもらえマス?そこを通りたいのデスヨ。」
「あぁ、ごめんごめん。いやぁ…手伝いに来たのに邪魔ばっかしてるなぁ。」
今日はなんだか駄目な日なのかも。これ以上リリアンとペラスの邪魔してもあれだし、リビング戻ろうかな。後少しだから平気ってペラスも言ってたしねぇ。
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▷アンジュside
クロワさんがキッチンから戻ってきて、食事する時に座る自分の席に座った。リリアンさんが飲み物を用意して、ペラスさんが机を綺麗にして食事を運ぶ。今日は珍しくクロワさんが仕事しないみたいだから「どうして仕事しないの?」と声をかけたいけど、私はいつも仕事しないからそんなこと言うなんて偉そうに感じちゃって何も聞けない。少しくらい手伝いたいけど、クロワさんを怒らせたくないし…。
「どうかしたのか、アン?」
いつの間にか目の前の席に座っていたミラーさんが、私に話しかける。素直にクロワさんのことで悩んでいたと言おうとしたけど、私の隣にはクロワさんが座っているから「俺のせいでアンジュが悩んでる」と思って欲しくなかった。ただでさえ迷惑をかけているのに、これ以上余計な心配も迷惑もかけたくない。
『なんでもないわ。少しお腹が空いてしまったみたい。』
クロワさんに何を聞かれても、ミラーさんに探られても変ではない返答をした。お腹が空いているのは本当のこと、ちょっと困っていただけ。
「そうか。ならいいんだ。」
ミラーさんが私から興味をなくしたように、膝の上に載せているであろう本に視線を戻した。食事の前に本を机に置くと、ペラスさんが怒ってしまうから膝の上に置いているらしい。
準備を終えたリリアンさんとペラスさんが席に座る。何席か座る人がいないから空席だが、誰もそれを気にしない。いつもいない人達だから。ただ、いつもはいる人も今日はいない。
「ごめんなさ〜い!寄り道して帰ってきてたら遅れちゃった…!」
いつもはいる人1、セレノさん。雑貨屋の帰りで寄り道して遅れることはたまにあるから、特に誰も気にしない。
「気にしてないよぉ。でももう料理の準備できてるから手洗って早くおいでぇ。」
「わかったよクロワさん!本当ごめんね!!」
帰ってきたらセレノさんは、クロワさんに言われた通りバタバタと足音を立てながら手を洗いに行った。仕事で大変だろうに、走れる体力があるのは凄いな。
「皆さん、もう揃っていたのですね。まだ6時ですのに。」
いつもはいる人2、ルクアさん。今はもう8時前だけど、なぜかまだ6時だと思っているみたい。
「もう8時前だぞ。きっと時計が壊れている。」
「あぁ、そうなのですね。後で直します。」
また慌ただしい足音と共に、綺麗に洗ってきた手を前に見せつけるようにしながらセレノさんが戻ってきた。
「手洗ってきたよ〜!ってあれ、ルクアちゃんもいたんだ!お仕事してたの?」
「えぇ、先程までまだまだ朝食の時間ではないと思っていました。」
「そうなんだ!ねぇねぇ、僕手洗ってきたしもう朝食の時間だから早く食べよ!」
「セレノが遅れてきたから食べれてなかったんだけどね〜?」
「あは、それは本当にごめん…!」
今この家にいる全員が揃った。他の人達はお仕事だったりして今はいないけど、多分夜になったら帰ってくる。逆に今いるリリアンさんはモデルのお仕事、ペラスさんは清掃のお仕事で今日から二日間いなくなってしまう。寂しいような、安心するような。
クロワさんが作り置きしてくれたものを温めた朝食。スープが、朝の冷たい空気で冷えた体を温めてくれる。
みんな何かしら喋っていて、ずっと賑やかな朝食。嫌々言いながら会話に参加していたり、ノリノリで会話に参加していたり。私は食事中会話に混じれないから、みんなの話を聞いているだけ。
私が人間じゃなかったら。私が喋られたのなら。そしたらここに混じれて、みんなともっと仲良くなれたのかな…なんて、クロワさんに怒られるようなことをいつも考えてしまう。
いつまでもこんな事を考えてしまって、美味しいはずのご飯の味もわからなくなってしまった。