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異変
遥「よし…これで全員揃ったね」
彰人「あのウサミって奴が来ないうちに、探索結果を話し合いませんか?」
絵名「あれ?こんなところでも猫被ってんの?w今更どうでもよくない?」
彰人「っるせぇな…」
猫被ってたのか…こいつ…
咲希「うーん…中央の島に、封鎖されている橋がいくつかあったよね…アタシはあれが気になったよ!」
えむ「あ、あれはね!あたし達が迷子にならないためにあるらしいよー!」
えむ「あたしが無理矢理渡ろうとしたら、ウサミちゃんが出てきたんだっ!」
こはね「迷子にならないため…?そんなに広いの…この島は…?」
杏「でも、総合的に見たら普通にいい島じゃない?リゾート地って感じでさ!」
みのり「あと!大きい牧場もあったよね!」
まふゆ「かなり広いスーパーもあったね。食べ物とか、生活必需品が一通り揃ってたよ」
愛莉「ホテルもすごく立派だったわね…あそこに泊まれるなら、かなり助かるけど…」
雫「レストランもとっても綺麗だったわ〜♪」
遥「私も…大事な事を見つけたんだ」
志歩「大事な事…?」
…桐谷の言う大事な事というのはなんなんだ…?
気になるな……
司「なぁ…大事な事…ってなんだ?」
司「もしや、この島について何か分かったのか?」
遥「うん………えっとね、」
遥「みんなは、橋を渡った先にある島の公園には行った?」
司「あぁ…やたらと迫力がある銅像というか…不気味な動物のオブジェがある公園のことだよな」
遥「あれを見た時、どこかで聞いたことのある話を思い出したんだ」
遥「太平洋にある小さな島で、風光明媚な常夏の楽園と呼ぶに相応しい島がある…」
遥「中央の小さな島を中心として、《《5つの島》》から構成されるその島々は…」
遥「同じく《《神聖な5体の動物》》を、島の象徴としているらしいんだ」
遥「その島の名前は…『ジャバウォック島』……」
類「じゃあ…僕達がいるこの島って…」
司「…ジャバウォック島…なのか?」
司「それが…オレたちのいるこの島の名前…?」
遥「でも、少し引っ掛かることがあるんだよね」
遥「私が聞いた話だと、ジャバウォック島は既に…」
遥「…………」
遥「いや…やめておくよ」
寧々「え?ちょっと待ってよ…すごく中途半端な話の切り方じゃん…」
遥「本当かどうかまだわからないし…もう少し明らかになったら話すよ」
絵名「今更名前なんてどうでもいいんじゃないの?どうせ、しばらくしたらここから出れるんだし…」
えむ「みんなと一緒に過ごせるなんて…すっごくわくわくわんだほいだねっ!」
杏「ここには面倒な授業も無いし!」
穂波「それに、特に危険も不自由もないんですよね…」
一歌「うん、なんとかやっていけそう…!」
司「は…?ちょ、冷静に考えてみろ!」
司「オレ達は希望ヶ峰学園に入学するために集まったんだ!それなのに、突然こんな島で暮らせって…」
司「どう考えてもおかしいだろう!?」
奏「でも…逃げるにしたって、その方法がないわけだし…」
彰人「船もねーし…飛行機はハリボテだしな」
こはね「外との連絡手段も存在してなかったよ…」
みのり「た、助けを呼ぶのも無理なんだね…」
えむ「泳いで帰ればいいんじゃない!?みんなで競争しよーよ!」
まふゆ「それは無理…かもね…」
瑞希「いや、頑張ればなんとか…!!」
絵名「む、無理に決まってるでしょ!?」
司「では、木を切って筏でも…」
ウサミ「だめー!それはだめでちゅ!断固としてだめでちゅよ!」
ウサミ「ほら、修学旅行のしおりを思い出してくだちゃい!」
ウサミ「ポイ捨てはだめ!自然破壊もだめ!」
ウサミ「ミナサンには、この美しい南の島と共存しつつ、平和に暮らしていって欲しいんでちゅ!」
司「な、何がルール違反だ…そんなの関係あるか!」
奏「…やめておいた方がいいんじゃないかな」
司「えっ…?」
奏「その…ウサミ?は、ルールにやたらこだわってるみたいだし…」
奏「反抗したら何されるか分からないから…」
ウサミ「はわわっ!き、危険なことはしまちぇんよ!」
類「司くん…気持ちはわかるけど、一旦落ち着かないかい?」
穂波「と、とりあえず…おかしな行動を取らない限り、危険はないみたいですし…」
冬弥「それに、希望のカケラさえ育てていれば、すぐにこの島から出られるようになるんですよ」
司「信じるのか…?そんな話を…?」
奏「少なくとも今は…信じないといけないかな」
瑞希「ところでウサミ…さっき放送で言ってたプレゼントってなんのこと?」
ウサミ「あっそうだった!いや!もちろん忘れてないでちゅけど…!」
ウサミ「らーぶ!らーぶ!これでちゅよ!」
ウサミ「慌てないでねー!ちゃんと全員分用意してるから大丈夫でちゅ!」
類「…………………」
類「なんだい?それ」
ウサミ「くすくすっ!ウサミストラップでーちゅ!」
ウサミ「あのね!お腹を押すと喋るんでちゅよ!」
『あちしはウサミ…魔法少女ミラクル★ウサミ』
『ちょっぴりスイートなミルキーッ娘でちゅ!』
ウサミ「可愛いでしょ!らーぶ、らーぶでちょ!」
奏「…なんか、期待して損したな」
志歩「くだらない…」
愛莉「ちょっとでも期待した自分が恥ずかしいわ…」
冬弥「そうか?意外と可愛いと思うが…」
瑞希「特に耳が兎に似てるところとかね!」
ウサミ「まぁ、ウサミっていうくらいだから、兎でちゅよね!」
けれど、次の瞬間には…砂浜にいくつものウサミストラップが転がった
ほとんどの奴は、それを受け取ったと同時に投げ捨てていた
ウサミ「ちょっと!ゴミで自然を汚しちゃだめ!」
寧々「自分でゴミって言ってるし…」
ウサミはしょんぼりとストラップを拾い集めると、寂しそうな顔をオレ達に向けてこう言った
ウサミ「うう…せっかくもう1つプレゼントを用意したのに、そんなに悪い子だとあげたくなくなりまちゅ…」
絵名「え、まだ何かあるの?」
ウサミ「あのね、《《動機》》を用意したんでちゅ」
司「…動機?」
ウサミ「はい、ミナサンが仲良くなるための動機でちゅ」
ウサミ「せっかく南の島に来たんだし、それっぽい事をした方がいいかなーって!」
みのり「なになに?パーティーでもやるの?」
ウサミ「ピンポーン!大正解でちゅ!」
雫「あらぁ、それは素敵ね!」
咲希「南の島でパーティーって言ったら…やっぱバーベキューとか!?」
杏「キャンプファイヤーでもいいよね!」
ウサミ「ミナサン、様々なご要望があるみたいでちゅけど、海といったらまずは…」
ウサミ「じゃじゃーん!やっぱりこれでちゅよね!」
類「これって…スイミングバッグ?」
ウサミ「はいっ、ミナサンの水着を用意させて頂きまちた!とりあえずスクール水着だけど勘弁ね」
司「お、泳げっていうのか…?こんな状況で…?」
ウサミ「そ、そんな上から目線の命令とは違いまちゅよ!ただ、泳ぎたい人がいたらどうぞと思って…」
司「お、泳ぐわけないだろう!こんなわけわからん状況の中で、呑気に泳ぐ奴なんているはずが…」
えむ「わーーーいっ!!海だ海だー!」
え……?
愛莉「まぁ、天気もいいし…泳がないわけにはいかないわよね!」
一歌「海で泳ぐなんて何年振りだろ…」
海で泳ぎたいと言う奴らは、ウサミから水着を受け取ると、
着替えのために一目散にホテルへと走っていった
類「…司くんはどうする?」
司「………………」
類「僕は君の気持ちもわかるから、無理にとは言わないけれど…」
類「気が向いたら、司くんも来てくれると嬉しいな」
それだけ言い残し、類もホテルへ行ってしまった
司「……………………」
この島には危険なんてない…
この島では絶望的なことなんて起こらない…
本当に…そうなのか?
もし……そうだとしたら…
間違ってるのは………
司「いいや…やっぱりおかしい、よな」
司「なぁ、宵崎は泳がないのか?」
奏「うん…運動はあんまり得意じゃないんだよね」
司「へぇ…そうなのか…」
ウサミ「あれれ、天馬くんは泳がないんでちゅか?」
司「…………ああ」
ウサミ「うーん、どうしたら天馬くんは、あちしのことを信じてくれるんでちゅかね…」
信じられるわけ、ないだろう…
ウサミ「あ、そうこうしてるうちに、ミナサンが帰ってきまちたよ!」
ウサミの声に振り返ると、
歓声をあげながら、海へと飛び込んでいく連中が見えた
みのり「わーい!海だー!すっごく久しぶりかも!」
瑞希「水もぬるくて気持ちいいね!」
えむ「きゃー!しょっぱいよー!この海はすごくすごくしょっぱいよー!」
リゾート気分…そんな言葉がぴったりだった
すっかり浮かれ気分の高校生達が、楽しそうにはしゃぎ回っている姿を見せられ、
オ、オレ…は…
ウサミ「うんうん!あちしは嬉しいでちゅ」
ウサミ「ミナサン仲良く楽しそうで、とっても嬉しいでちゅよ」
ウサミ「慣れるまで大変だろうなと思ってまちたけど、さすがは超高校級のミナサンでちゅね!」
ウサミ「この調子でほのぼのと、『どっきどき修学旅行』を頑張っていきまちょーう!」
……………
言い表しようもない、謎の疎外感…
やっぱり…間違ってるのは……
寧々「よくこんなところではしゃげるよね…馬鹿みたい」
彰人「自分たちの状況分かってんのか…?」
司「…………」
そう、だよな…
やはりこれは異常事態で……
…ん……?
なんだ…?急に天気が悪く…
は…?
咲希「わわっ!?なんか雲が黒いよ!?」
遥「こ、こんなの不自然だよね…」
ウサミ「え…あ、あれ?」
司「おい!今度は何をしたんだ!?」
司「何が起こっている!?」
絵名「さっきまで晴れてたのに…こんなのおかしいでしょ!」
ウサミ「あわ…あわわわわ……」
ウサミ「な、な、なんでちゅかこれぇぇぇ!?」
司「…は?」
ウサミ「ど、どうして…あちしは何もしてないのに…こんなことが…?」
ウサミ「ありえないでちゅ!こんなことあるはずないでちゅ!」
と、その時だった
オレ達の混乱に輪をかけるように、
突然それは始まった
???「あーあー…マイクチェック!マイクチェック!」
???「あーあー、あーあー!聞こえますかー?聞こえますかー?」
それは、場違いなほど明るい、能天気な声
だけど、その声はウサミとは全くの別物で
その能天気さの裏に、底知れぬ悪意のようなものが渦巻いているような…そんな声
そんな悪意を感じ取った瞬間、オレの体は震えた
???「うぷぷ…びっくりした?びっくりしちゃった?」
???「ですよねー!」
???「さて、大変長らくお待たせしました!」
???「くだらない余興はこれくらいにして…」
???「そろそろ、真打ちの登場でございます!オマエラ…至急、ジャバウォック公園にお集まりくださーい!」
ウサミ「ま、まさか…今の声って…」
ウサミ「だ、だとしたら大変でちゅ!なんとかしないと…」
ウサミ「あたちが、なんとかしないと!」
司「あっおい!待て!」
冬弥「なにやら…ただならぬ雰囲気だったな…」
奏「私達も、行った方がいいかも…」
奏「ジャバウォック公園だったね、急ごっか」
絵名「あっ!か、奏!待って!」
司「だが…泳いでる奴らはどうするんだ…?」
冬弥「待っている暇はないです…俺達は急ぎましょう」
彰人「チッ…なんなんだよ…」
彰人「くだらねーことだったらキレるぞ…」
一体なんだ…?何が起きている?
とにかく…
司「ジャバウォック公園…だったよな」
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ウサミ「やいやい!どこでちゅか!どこにいるでちゅか!」
司「どこにいる…って…誰に言ってるんだ…?」
???「うぷぷぷぷ…」
ウサミ「どこに隠れてるんでちゅか!出てきてくだちゃい!」
???「アーッハッハッハッハ!!」
???「やぁ!お待たせしました!」
???「そして、お久しぶりでございます!」
モノクマ「ボクはモノクマ!この学園の、学園長なのです!」