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2-8
林間学校最終日。
今日でみんなとお別れ。
今は荷物整理の時間。あとはお昼ごはんだけ。この時間が3人でいられる最後の時間。
「あの、さ」
どうしても2人に聞きたいことがある。返事が怖いけど、口を開く。
「ん?どうしたの?」
「なになに?」
2人が私の方みる。よくない返事が来たら、やっぱり怖い。でも、これを聞かないと後悔するから。
「また、会える?」
そう聞くと、2人の表情が少し暗くなる。
「あの、私さ、バスケ部入ってるんだけど。今はまだだけど、そろそろベンチ入れてもらえそうで。そうすると、試合で春休み、いけなくなっちゃう。この場所大好きなんだけど、今、私の生活に毎日バスケがあって。その頑張りを、試合を出来なくなると、やっぱ悲しくて」
たまっちが申し訳なさそうに言う。
「そっか…。ここ以外にもそれぞれ生活があるもんね。優は?優は来れる?」
「私ね、留学するんだ」
「「え、留学!?」」
「この前の林間学校から帰ってきたときね、久しぶりにママとパパと3人で話したの。そこでね、アメリカ行かないかって。とりあえず1年で、そっちが合うなら、そっちで卒業しても良いしって。アメリカの学校は9月始まりだから、それまでこっちの学校行ってるー、みたいな。まぁ、実質親に捨てられた、みたいな?」
「優はそれでも大丈夫なの?」
「え、何が?」
「だって、実の親じゃなくても育ててくれたんでしょ?私はお母さんにもお父さんにも会えないけどさ。優はそうなっちゃってもいいの?」
「たまっち、心配しててくれてありがと。でもね、私、楽しみなんだ!広い世界!もちろん家族と離れるのさみしいけど、未知の世界にワクワクしてるの!だから、大丈夫だよ。安心して」
「そっか。なら良かった。変なこと聞いてごめんね」
最初は「留学」という言葉に驚いた。だけど、2人が話している間に私の頭はどんどん冷静になっていく。
本当にもう、会えなくなるんだ、と。
クライマックスですわよ!!
あと1話で完結です。
最後まで是非楽しんでいってください!
感想もお待ちしてまーす