公開中
鬼の手形
この話は昔話の二次創作となっています。
なんで著作権はとっくの昔に切れてます。
昔々、岩手県のある場所に小さな集落がありました。
その集落では、農作業等が盛んで、岩手県の中でも一世を風靡するような技術力がありました。
ある日、遠くに見える岩手山が噴火し、3つの石が丘へ落ちてきました。
この石は、三石様と呼ばれ、神様のように崇められていました。
ある日、山の方からドスンドスン、と。
大きな地鳴りのようなものが聞こえてきました。
よく見てみると、そこにいたのは鬼。
そう、羅刹鬼でした。
村人たちはひどく戸惑いました。
「お、鬼だ!鬼が来たぞお!!!!」
鬼は
「いいな、いいな!」
と言いながら家を壊したり、食べ物をせびったりするのでした。
そして、鬼が去っていきました。
村人たちは、一生懸命に対策を考えましたが、何も思いつきません。
そこで、三石様が目につきました。
「どうか……私たちを救ってください…」
そう祈った村人たちは、三石様からの返事が来ないまま、その日を終えるのでした。
あの日以来、鬼は全然来ませんでした。
時は進み、数ヶ月後の冬の事でした。
また、山の方からドスンドスン、と聞こえてきたのです。
また、羅刹鬼がやってきました。
「三石様ああああ!!!!」
村人たちは一生懸命に叫びました。
すると、三石様は、自身から淡い光を出し始めたのです。
その光は、鬼の興味を引くには充分でした。
「あ?なんだなんだ」
鬼が三石様へ近づき、そこで三石様は、縄で鬼を岩に縛り付けたのです。
その時、鬼は勢い余って、手が石にめり込んでしまい、手形がついてしまいました。
鬼は、観念したかのように
「私が悪かったですから!!もうここには来ません!!もうここの生活を見ることがないのは悲しいですが……」
その言葉を聞いた三石様は少し何か言って欲しそうに光を出します。
「え?事情を説明してほしいのでしょうか?」
鬼がそう言うと、三石様は縄を解きます。
「えっと……実は、家を壊してたのは、村人たちの生活を見たかったからです。食べ物をせびってたのは、ここの食事がとてもおいしいからです……」
それを聞いた村人たちは何とも言えない空気となってしまいました。
その空気を切り裂くように、三石様が言葉を発します。
「では、これからはすべて優しくやるようにしてください」
そう三石様がしゃべると、力尽きたかのように、もう光は出さなくなりました。
「ありがとうございます……」
鬼は感謝して、山の方へ帰っていきました。
そこから少し経ったある日、また鬼がやってきました。
しかし、前回とは違く、村人達と仲良く話していたのでした。
めでたし、めでたし