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音のまま演じ切れ #5
書き溜め尽きたんご。
うぁあああああっ!!((
**第五話 綾瀬さん宅**
「ん……うわっ、ここどこ?」
目が覚め、辺りを見回す。そこはよくある体育館の中だった。
「もしかしておれ、死んだ? いや、にしては死後の世界ぽくないっすねぇ……」
するとパッと照明が落ち、即座に舞台にライトが当たる。
そして__劇が始まった。
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「ちょっとどうすんの、消えちゃったじゃん!?」
「どどどど、どうします?」
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夢中で見入っていると、いつの間にか劇は終わっていた。
拍手をしながら、逡巡する。
(多分、彼女は女優になりたかったんすね。けれど、貧しかったせいでできなくて……こんなにも演技が上手なのに、もったいないっす)
劇のストーリーは、恐らく彼女の人生を模したものなのだろう。少し、涙ぐむ。
ややあってから、彼女はおれに囁く様にこう言った。
「頑張ってね。わたしの代わりに__」
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「ん……ぁ……」
「あっ、起きた!」
「大丈夫でしたか?」
目覚めた瞬間、2人に急接近される。
「っだ、大丈夫っすよ……特に何もなかったっす」
あったことを説明すると、「ほんとに何もないじゃん」「行った意味なかったですね」と返される。
「聞きそびれてたっすけど、ここどこっすか?」
「うちの家」
「後、おれはどーやってここへ?」
「うちとオカルンで担いだ」
「……マジすか?」
「マジマジ」「マジです」
すぅーっと大きく息を吸い、「すんません……」と謝る。
「いーよ、いーよ。夜遅いし、気をつけてね」
快活な笑みを見せる綾瀬さんに、少し安堵する。
「は、はいっす。じゃあ、えと……また、明日」
「また明日〜」「はいっ、また」
**オマケSS**
「そーいや、『オカルン』て呼び方なんすか? 高倉さんの名前は高倉健で__」
「あぁああああああやめてぇええええっ」
言い切る前に、綾瀬さんが叫んだ。突然のことに、おれは後ろに半歩引く。
「うわびっくりしたぁっ! どうしたんすか、持病かなんかっすか?」
悶える綾瀬さんに代わり、
「高倉健が好きらしいです、俳優の方の。なので、ジブンの名前を聞くとああなります」
と高倉さんが答えてくれる。どうやら発作ではなかったらしい。
救急車を呼ぼうとスマホを構えていたが、無用だったか。
「な、なるほど。だから、高倉さんを本名で呼ばないんですね……」
納得して頷くが、新たな疑問が浮かぶ。
「ところで、なぜに『オカルン』?」
「「オカルト好きだから」」
見事に2人の声がハモった。
「ちなみに、名付け親うち」
「……綾瀬さん、ネーミングセンス神ってません?」
「知ってた」
妖怪、ショボくね?((
強い奴ににしようか迷ったんですけど、流石に初回でそれはなぁ……ってことで、超平和になっちった。
てへぺろー。(