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部屋の隅の○○○○
主人公・凪海 羅希(なぎうみ らき)
プロ漫画家・みぅむぅ(猪野)のアシスタントをしている。
「じゃ、早速ここのホワイトと消しゴムかけよろしく」
「えっ、あっ、はい!?」
もう作業!?普通もうちょっと自己紹介とかしない!?
私は心の中でそう叫びながらさっそくホワイトと消しゴムを持った。
「おい」
私は少し低い声に肩を震わせた。
「もう少し強く紙を抑えて消しゴムをかけろ、紙にシワが…」
「はいィっ!!」
うぅ……厳しいよぉ…。
でも。
私は猪野先生が作業している机を見た。
背筋を伸ばして良い姿勢であるのに熱中して、集中して描いている。
「おい?」
ギクッ。
「手を動かせ」
私はよそ見をなんとか誤魔化そうと、部屋の隅にポツンと置かれているトランクについて訊いた。
「あ、あれを見てて…何ですか?」
猪野先生は面倒くさそうに首を掻きながら答える。
「あー…じいちゃんからのプレゼントだ」
「何が入っt」
「早くしろ」
「…はい」
私は再び手を動かす。
中身気になるんだけど…。