公開中
残機 上
月明かり。
薄暗い路地。
なぜ、こんな平凡な小学生が死ななければならないのか。
誰に殺されたのかもわからない。
気づいたら倒れていた。
私はゆっくりと目を閉じた。
あと99機
「おはようさっちゃん!」
元気よく言うのは、幼稚園の時からの親友・三浦 ミキである。
「おはよう、みーちゃん。」
どうやら私は机で寝ていたようだ。
殺されたのに…?
不思議な気分。
帰りの会。
「さようなら!!」
みんな勢いよく教室から出ていく。
「さっちゃん、一緒帰ろ!」
「あ、ごめん今日なっちゃんと帰る約束してて。」
キッパリ断ると、みーちゃんは残念そうに去っていった。
死ぬのは、多分今日。
あの近道は使わないようにしよう…。
家に着いた。無事に。
やっぱりあれは夢だったんだ…。
玄関の前で呆気に取られる。
タッタッタッタ誰かの走ってくる音。
「え?」
胸には包丁が刺さっていた。
あと98機…
あと97機…
96
95
27
最近、遅すぎるが気づいた。
私は,ループしてる。
多分、殺されないまでループするだろう。
じゃあ、自殺はどうだろうか。
私がいるのは屋上
の、柵の外側。
「待って!杉浦さん!?」
振り向いた先には、優希という、男の子がいた。
「え?ゆうくん?」
そんなこと言った時ぐらいに、足を踏み外す。
グチャッという音。
あと26
これは何かの間違えのはずだ。
私は…繰り返している。