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無属性の反乱:アーリスの覚醒
魔法再編評議会の設立から数日後。 世界は新たな秩序へと動き出した。 だが、その裏で静かに燃え上がる“反乱”の火種があった。
舞台は、リュカの故郷——辺境の村アーリス。 かつて“無属性”として蔑まれた地。 今や、世界の中心となったその村に、異変が起きていた。
村の地下に眠っていた“封印の祭壇”が、灰色の魔力に反応し、目覚め始めたのだ。 そこには、かつて魔法国家によって“無価値”とされ、封印された者たちの記録が刻まれていた。
「我らは、拒絶された者。だが、拒絶こそが力となる」
その言葉に導かれるように、村の若者たちが次々と覚醒していく。 魔法適性ゼロだった者たちが、灰色の魔力を操り始めたのだ。
「俺にも……魔法が使える?」
「いや、これは魔法じゃない。魔法を壊す力だ」
リュカは、村に戻り、彼らの覚醒を目の当たりにする。 かつて自分と同じように“空っぽ”と呼ばれた者たちが、今や“魔法破壊者”として目覚めていた。
だが、その力は不安定だった。 拒絶の魔力は、使うたびに記憶を曖昧にし、感情を揺らがせる。
「リュカ……俺たちは、どうすればいい?」
リュカは答える。
「まずは、自分の“目的”を持て。魔法を壊すだけじゃなく、何のために壊すのかを」
その言葉に、村人たちは静かに頷いた。
だが、彼らの覚醒は、世界に新たな波紋を広げていた。 魔法国家の旧派たちは、これを“無属性の反乱”と呼び、危険視し始める。
そして、純魔連盟が動き出す。 彼らは、各国の魔法至上主義者を集め、地下都市“エルグラ”に拠点を築いていた。
「無属性の拡大は、魔法文明の崩壊を意味する」
「リュカを排除せよ。アーリスを封鎖せよ」
純魔連盟は、秘密裏に“灰色の殲滅作戦”を開始する。 その第一波として、闇の国の呪術師部隊が、アーリスへと向かっていた。
リュカは、村の広場に立ち、仲間たちに告げる。
「俺たちは、拒絶された者だ。だが、拒絶されたからこそ、世界を変えられる」
「魔法に支配されない未来を築くために——戦う覚悟はあるか?」
村人たちは、灰色の魔力を纏い、静かに頷いた。
──無属性の反乱が、今、始まる。 そして、リュカは“指導者”ではなく、“共闘者”として、仲間と並び立つ。
次なる戦いは、魔法国家との全面衝突。 その先に待つのは、魔法文明の崩壊か、再生か。
…書くことなし☆