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3日目 夕方 人狼のカミングアウトと結末
💙「|CO《カミングアウト》します。わたしはら《《人狼》》です。」
葵が言った。
は?
だって、人狼は、《《人狼だとバレないように》》行動するのが掟中の掟。
人狼が|CO《カミングアウト》するなんて、ありえないのだ。
でも…
それは《《普通の人狼ゲーム》》の中のことで、《《リアル人狼になったら》》せざるを得なかったのかもしれなかった。
🍀「ど、どないなってんの、葵?負けるで?投票するけど、ええんやな?」
💙「いいよ。投票しても。人狼はもうひとりが由紀子。人狼は負けちゃう。《《人狼は負けてしまう》》。でもそれは、果たして《《市民陣営が勝つということ》》になると思う?」
👻「勝つに決まってるよ…。」
どういうこと?人狼が負けたら、わたしたちは勝つじゃない!
💙「覚えていない?《《もうひとつの陣営》》を。」
市民3人、占い、霊媒師、騎士、狂人1人。人狼2人。足りない!
🌸「“何者か”!」
💙「そうだよ。その陣営、第3陣営の勝利条件は教えてもらっていない。人狼が追放されたってまだ市民陣営の勝利と確定したことにはならないの。だって、第3陣営の勝利条件によって、分からないから。」
🐱「ってことは、第3陣営だけの勝利ってこともありえるの?」
💙「そう。」
ということは、何者かを倒す方法を、考えなくては。
🍀「でも、葵が嘘ついているんじゃないの?」
💙「どういうこと?なら、こんな人狼って言わないよ。」
正論だった。
もう、わたしたちが負けるなら、葵を信じるしかない!
🌸「わかった、信じる。市民だよ、ただの。」
👻「岬が言うなら。わたしは霊媒師。」
🍀「わかった。うちもや、うちはただの市民。」
🐱「じゃ、じゃあ!わたしは、狂人…信じて!」
🧵「わたし?市民だよ、ただの。」
嘘をついているんだ、誰かが。
💙「種明かしと行きましょうか。」
ふふっと不敵な笑みを見せた葵は、続けた。
💙「第3陣営は、いつもの人狼ゲームにいるような、でも《《普通じゃない陣営》》。」
は?
💙「言うね。それは、《《ゲームマスター》》。誰かも分かった。高音だよ。」
🐱「でも!葵、高音と一緒にいたじゃない!」
💙「え?一緒にいたのは、《《高音を調べ尽くすため》》だけど。せっかくリアル人狼だったんだよ、相手を調べていくっていう良さを使わない手はないじゃん?」
一理ある、正論だった。
💙「ゲームマスター目線で、果たして勝てない勝負をすると思う?面白くもないよね。じゃあ、ゲームマスターが負ける条件とは?」
🌸「と、というか、なんで高音?」
💙「それはあとで。」
くすっと笑った。
そして、続けた。
💙「それは、《《人狼ゲーム実行を不可能にすること》》。つまり、襲撃された人、追放された人を救い出すのよ。」
🍀「食ってないの!?」
💙「いや、当たり前…わたし、ちょっと偵察してきたのよ。そして、ここはビルということがわかり、2階に閉じ込められている。そのフロアキーがあって、夜な夜な打ち込んでたの。エラーが出てもべつに何もなかったから。」
…ストーカーか。
💙「そして、分かった。キーは8239。そこへ、今から行くよ!!」
🧵「やめろぉぉお!」
高音が人狼のように狂った。
💙「っはぁっ!!さ、行くよ!」
葵が高音をなぐりとばす。まあ、一刻を争うのだ。仕方がない。
薄めの壁を破り倒すのはよつばの仕事。すばしっこいわたしが階段を飛ばし上がり、キーを打つ。8293、8293!!
🌸「みんなっ!」
若干懐かしい4人だ。
🌈「岬!!」
🌙「な、なんで?」
🕊「助かった?助かった!?」
🎶「わあああああ!!」
そして、パソコンの音がした。
💻「…ヤメロ…エラー、エラー、エラーアアアァ丫」
ピーーーーーーーーーーー。
🧵「…負けちゃった…。」
高音だ!
🧵「ご、ごめん。人狼ゲームを楽しみたかっただけなんだ。どこで分かったの?」
💙「言ってないのに、わたしたちが不登校だったことを知っていた。パソコンが言うことを予測していた、が主な理由。」
🧵「ははは。すごいね。適当に埋め合わせしておくから、帰らせてあげる。
糸崎高音は、偽名。|八寺美紅《やじみく》が、待ってるから。坂白中で。」
坂白中。わたしたちが行く中学校だ。マンモス校として知られている。
何が起こるのか。分からないけれど、
中学校に行きたくなった。
意識が、遠のいた。
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そのあと、わたしは勉強して、学校には行けなかったけれど勉強に追いついた。
そして、坂白中に行った。
そこには、顔見知りがいた。学校では知り合えていない。
「担任の八寺美紅です。よろしくお願いします。」
懐かしいけれど、少し大人になった顔見知りが、そう微笑んだ。
あとはサイドストーリーばっかになりそう。