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第十一話 & 企画結果発表 & 提案募集
【前回のあらすじ】
緊張がほぐれてようやく寝ることができた沙雪。
そして火影は、全員の寝顔を愛らしく思いながら灯和の元へ向かった。
嫌な予感を確信に変えながら進んでいくと、そこには灯和と妖怪の姿があった。
その妖怪とは、巨大な餓者髑髏と恨みが乗り移った死者の亡骸だった。
彼らの目的は、そう、屋敷にいる沙雪たちの魂だった。
しかし、そんなことを火影と灯和が許すわけがなかった。
誰も傷つけないように、誰も失わないように、
火影と灯和は、餓者髑髏一同と戦う姿勢を見せるのだった……
〜火影 side〜
灯和「それじゃ…成仏してもらおっか………」
火影「……ああ。」
私たちと餓者髑髏たちは睨み合った。
その場に冷たい空気が流れ込んだ。
**死者「……ア゛ァア゛ァ゛ァァァァア゛ァァァ゛!!!!」**
一人の声を境に、突然死者たちが奇声を上げながら一斉に猛突進してくる。
火影「!灯和、私は取り巻きを相手する。お前は親玉だ!」
灯和「わかった!気をつけて!!」
**ダッ!**
灯和は返事をした直後、目にも止まらぬ速さで走り去った。
……こちらも負けてはいられないな。
死者「アァ゛ァア゛ァ゛ァァァ゛アアア゛!!!!」
火影「…今ここから立ち去れば、無駄な命が消えずに済むぞ?」
**死者「……ヴアァ゛ァア゛ァ゛!!!」**
それでも死者たちは聞く身を持たずこちらに手に持つ鈍器を振り下ろしてきた。
火影「……止めても尚これならば仕方がない…やるしかないか…」
*「………こい。`|幽月魄《ゆうげつはく》`、`|白焔《びゃくえい》`。」*
__チリン…__
フッ……
死者「………ア゛ァ゛…?」
死者たちが困惑している。
当たり前だ。
目の前の獲物が突然消えたのだから。
__チリン…__
鈴の音と共に、私は再び姿を現した。
……手に二つの神器を持って。
火影「………あまり『神』を舐めないほうがいいぞ…?」
***ズダダダダダッッッ!!!***
死者「ア゛ア゛ァ゛ァァア゛ァァ゛………!!?」
その瞬間、目の前にいた死者たちが悲鳴を上げながら倒れていった。
私の両手には、不思議な空気を纏っている神楽鈴と儀式刀が握られていた。
そう、これが私の武器だ。
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右手に握られているのは、儀式刀の白焔。
純白の刀身に、青い模様が入っている。柄は黒く、先が赤くなっている。
この刀で斬られた者は、ほとんどの生気を奪われ動けなくなる。
左にに握られているのは、神楽鈴の幽月魄。
赤の持ち手に金の鈴が月の光を受けて美しく光っている。
これを鳴らすことで、幻術を扱えるのだ。
…敵を化かして不意を撃つ。それが私の闘い方だった。
---
…トンッ……
火影「……はぁ、これを見てもまだくるのか。」
仲間が目の前で倒れても尚、彼らはこちらに向かってくる。
やはり恨みに支配された者は通常の思考ができなくなるのか。
それとも生前から『仲間』という概念がないのか……
私は両手を交差させた。
すると、幽月魄が静かに鳴った。
__シャリン…__
*火影「`|神楽九焔《かぐらきゅうえん》`。」*
その瞬間、私の周りにいくつもの青い火柱が現れる。
その炎は、死者だけを燃やしていった。
死者「ギャア゛ァァァァア゛ァア゛…!!!」
火影「………私はここでお前たちを止める。消える覚悟がある者だけ来い。」
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〜灯和 side〜
すごい…たくさんいた死者たちがこんな一瞬で…!!
……僕も負けてはいられないな…
僕は静かに前を向き直す。
目の前には、見上げるほど大きい餓者髑髏がこちらを睨んでいた。
灯和「……ごめんね。でも僕にも守らないといけない人がいるんだ。」
髑髏「………………」
**バッ!!**
彼が突然腕を振り下ろしてくる。
ヒュンッ!
僕はそれを素早く交わした。
……本当は戦いたくなんてないけど……
灯和「…………っ!!」
僕は振り下ろしてきた手を掴み、手の甲に乗った。
餓者髑髏は僕を振り払おうと腕を振り上げる。
僕はその勢いで、手の甲から飛び降りて、彼の首元に飛び移る。
そして、肩に思い切り金棒を振り下ろした。
**バキッッ!!!**
破壊音が響き渡り、餓者髑髏の左腕が地面に落ちる。
餓者髑髏の動きが一瞬止まった隙に、僕は肋骨に降りる。
目の前には、青く光る物体が浮いていた。
灯和(これがきっと心臓部だ…)
*グラッ!*
その時、餓者髑髏の体が大きく傾いて、よろける。
餓者髑髏が立ち上がって、こちらに右腕を伸ばしてきている。
灯和「……ごめんね、さようなら。」
僕は燈羅刹を背中側に構える。
静かに目を閉じる。
そして、ゆっくりと目を開いた。
*灯和「……`|酒天砕嵐破《しゅてんさいらんは》`。」*
***ドゴォォォォンッッ!!!!***
爆音が鳴り響いて、餓者髑髏の体が心臓部と共に粉々になった。
ゆっくりと体が傾いていく。
**ズズゥゥゥゥン………**
大きな音を立てて崩れ落ちた餓者髑髏は、そのまま灰になって消えていく。
周りにいた死者たちも、それと同時に消えてしまった。
親玉であった餓者髑髏が消えたからだろう。
僕は燈羅刹を静かに消した。
そして、餓者髑髏の残った手に近づいて、そっと触れる。
灯和「………次は、恨みなんて感じない、幸せな場所に生まれてね………」
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火影がこちらに近づいてきた。
火影「ふぅ…終わったな。」
灯和「うん…ありがとうね、来てくれて。」
火影「別に。それよりも、もう夜が明けるぞ。」
灯和「……あ。本当だ。気づかなかったよ…」
気づけば、空が明るくなり始めていた。
……すごく綺麗だなぁ…
灯和「………じゃあ帰ろっか……」
火影「ああ。あいつらも心配するしな。」
灯和「ふふ、そうだね…!」
僕と火影は、後ろを振り返って、静かに手を合わせる。
そして、天舞や竜翔、猫葉や沙雪ちゃんの待つ屋敷に向かって歩いた。
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第十一話 〜完〜
こんにちは、読書が好き🍵です。
記念企画の結果が出ました。
①キャラデザ一部発表(ファンタジー風沙雪&猫葉、通常灯和)
②記念番外編
となりました。
キャラデザが一部の理由としては、
アイコンメーカーで作っているため、パーツ等の都合でできなかったからです。
こちらの都合で一部だけになってしまい申し訳ございません。
そして、私は服のセンスが壊滅的にありません。
期待はしないほうがいいですよ…?マジで。
親に「はぁ!!?ダッッッセ!!!!!」って言われるレベルなんで。(マジ)
ただ、その分番外編は頑張ります!!
そこで!皆様に番外編の内容を決めて欲しいのです!
ご都合展開系、日常系、記念日系、なんでもありです!
先着1名様!是非送ってくださいね!
それではまたどこかで……
番外編物語決定:❌