公開中
friendly? Exchange Diary #5
最終回になります!なのでちょっと文章長いです
前回
https://tanpen.net/novel/653aa8d8-fc31-44dd-bd16-284cd8be6b4c/
純白凍土ちゃんとのリレー小説です
実は伏線があります!
あとがきに伏線って具体的に何かを、書いておきます!
美津姫「桃奈ちゃん、日記よ」
桃奈「はぁい、ありあとー!」
鹿良「あっ!美津姫ちゃん!交換日記の犯人、誰なんだろーねー」
霞音「…うん、そうだね、気になるねー。」
美津姫「実は交換日記には、桃奈ちゃんに渡すときに、話し合うと
書いたけど、今日はちょっと無理そうね、放課後にしましょう。」
桃奈「うん!きょーは、一大イベントだもんね!」
鹿良「わ〜、演劇界か〜、緊張する〜」
霞音「セリフの最終確認、しておいた方がいいんじゃない?」
桃奈「うんっ!じゃあ、セリフ言うね!」
「あんた花、ほんと調子乗りすぎよ!」
美津姫「うーん、大きな声にはなったけど、棒読みだから、抑揚をつけて言うと
良さそうね」
桃奈「あんた花…ほんと、調子乗りすぎよっ!!!」
鹿良「上手!」
霞音「お〜」
「あ、そうだ。昨日私、図書館行ったんだ。その時に、私たちがやる劇
の『花を持たせる』の原作の小説を見つけて、読んでみたら、実は
『花を持たせる』に上原ミカは登場してないんだ。」
鹿良「えっ…!?そうなのっ!?」
桃奈「初めて知った〜!」
美津姫「そ、そうなのね…なら、上原ミカは先生たちのオリジナルキャラってこと?」
霞音「ううん、そこで、同じ作者の別の小説に『嫉妬と自意識過剰ちゃん』ってのが
あったから読んだら、そこに上原ミカが登場しててさ…」
鹿良「へ、へー!」
桃奈「そ、そんなことより、屋内運動場、行かなきゃ!」
美津姫「え?もうかしら?」
鹿良「それってもしかして、自分の席持っていかなきゃいけない感じ?」
霞音「いや、もう屋内運動場にパイプ椅子が設置されてる。私たちのクラスは
なんと、特等席!」
桃奈「サイコー!行こ〜」
---
〈屋内運動場〉
美津姫「もうそろそろ、出番ね…」
桃奈「わー、緊張!あ、そうだ。緊張する時って、手に人って3回書いて、飲み込むと
良いらしいよ!」
鹿良「人、人、人…ぱくっ!え?全然緊張がおさまらないよ〜嘘?」
霞音「あぁ、それ、迷信だよ。」
美津姫「そうね、人と3回書いて飲み込んで緊張がおさまるなんて、よく考えると
ありえないわね。まぁ、手のひらに緊張がおさまるツボがあるとか、
そう言うことならわかるけど、それなら、わざわざ飲み込む必要はない
わね。」
桃奈「そうなのっ!?」
鹿良「あったまい〜!」
---
〈舞台裏〉
桃奈「かよ、中学2年生、出番まで、5、4、」
鹿良「ちょっとー!」
桃奈「3、2、1、0…」
鹿良が舞台に立つ。
鹿良「…すーっ…………」
「私、霧河花。小学一年生。」
霞音「おっ、上手。」こそこそ
美津姫「し、小学一年生、かぁ…」こそこそ
桃奈「ふっ!小学一年生!ふふふっ。笑が、堪えられないっ!」こそこそ
鹿良「最近の私は、やけにときめいてる。良いお友達がいるから。」
---
鹿良「渡したいっっ!!!」
霞音「迫力やっば…すご」こそこそ
桃奈「もうすぐ霞音ちゃん、出番だよ。」
霞音「うん。」
霞音が舞台に出る。
霞音「ありがとう!!!」
---
〈放課後〉
美津姫「あ、ということで、話し合いを始めたいと思うわ。」
ペラ…
美津姫「これね。犯人、誰だかわかるかしら?」
鹿良「どれどれー?あ、ほんとだ。なんか、シャーペンっぽい細さだけど、鉛筆!」
桃奈「そーだよ!だから、霞音ちゃんなんでしょ〜」
霞音「いや、本当に、私じゃないんだ」
美津姫「まぁまぁ…」
「そうそう、書庫で見つけた記録、これ。」
【香世は最低】
鹿良「なかなか言い出せなかったんだけどさ?香世って、私の従兄弟の名前なんだ。
私には優しかったけど、暴言癖があったから、よく人をいじめてた。
今でも頻繁に会ってるよ。
私とそっくりな顔で、そっくりな声なんだよ。あ、でも、香世って名前の
人なんていっぱいいるか…」
桃奈「…」
霞音「…」
美津姫「記録の本文を一部抜粋して読むね。」
「私は、香世にいじめられてた。」
鹿良「…え?偶然だよね?私の従兄弟のことなのかな?」
美津姫「香世ちゃんには暴言癖があって、それに悩まされていたけど、
誰にも相談できなかった。」
「ちなみに、この記録を書いたのは、小6の時の桃奈ちゃんよ。」
鹿良「え?そうなの…?」
美津姫「裏に名前シールが貼ってあるわ。…桃奈ちゃんで間違いないわよね?」
桃奈「…うん。」
桃奈は涙目になりながら言った。
霞音「…やっぱり?というか、なんで交換日記にあんな事したの?」
桃奈「同じ小学校だったんだよ。だから、私のことをぶりっ子ぶりっ子って、
バカにしてくんだよ…それでムカついて…」
「しかも、そいつと好きな人、被ったんだよ!それで、あいつが…香世が、
好きな人を…|掻っ攫って《かっさらって》いって…。」
鹿良「え?そ、それが理由?交換日記に落書きした理由が…?」
桃奈「まだ話は終わってねぇんだよ!!!」
鹿良「ご、ごめんなさい…」
霞音「桃奈ちゃん。今の言い方、訂正して?鹿良ちゃん傷ついてるんだから。」
美津姫「そうよ。流石に、あの言い方わきつかったわ。」
桃奈「うるせぇ。」
美津姫「あのね、桃奈ちゃん?確かに、香世ちゃんにいじめられた上、
好きな人を取られるなんて、嫌なのはわかるわ?でも、鹿良ちゃんや
霞音ちゃんは、無罪よ?なんで八つ当たりするの?可哀想じゃない。」
桃奈「あーはいはい。事情話せば良いんでしょ、事情をー。
鹿良…本当はあんた、香世なんでしょ?」
鹿良「…え?ち、違うよ!」
桃奈「だって顔そっくりじゃない。」
鹿良「そ、それは、私と香世が、瓜二つなんだって!」
桃奈「はぁ?なんで従兄弟同士が瓜二つなのよ。意味わかんない。」
鹿良「そんな…」
霞音「桃奈ちゃん?血が繋がってない人同士でもそっくりとか、あるんだから
さぁ?しかも、従兄弟同士が必ずしも似てないなんて、そんな決まり
ないじゃん。鹿良ちゃんだって、そこ否定されたらもう何も言えない
じゃん?」
美津姫「まぁでも、桃奈ちゃんの言いたいことは、分かってるわ。鹿良ちゃんと
香世ちゃんが同一人物だと勘違いしたんでしょう?だから、嫌がらせ
したんでしょ。」
桃奈「あんたの想像通りなのは気に入らないけど、あったりー。」
「あの文房具店だけ狙ってんのは、店員に博樹っていう苗字の奴が
いっからなーぁ。」
鹿良「でも、信じて?私、香世ちゃんじゃないから…。」
桃奈「何言われようと信じないから。」
霞音「というか、落書き一つ一つに意味あったりするの?」
桃奈「はぁ…仕方ないなぁ。じゃあ、質問料請求してやる。1万円。」
霞音「…は?」
美津姫「何言ってるの?怒るだけならまだマシな方だわ。お金の関係なんて、
絶対ダメなのに。そう言う決まりなのに、なんでそんなことが
言えるわけ?」
桃奈「もう…どいつもこいつも、ごちゃごちゃごちゃごちゃうるせぇな!
でもここは桃奈様が特別サービスで、答えてやるよ。」
鹿良「香世ちゃんみたいで、怖い…」ボソッ
桃奈「あ“ぁ?」
鹿良「すみませんっ!」
霞音「桃奈ちゃん…?」
美津姫「…呆れた。」
桃奈「あーはいはい。もう、仕方ねぇから、香世はここにいないってこと、
認めてやるけどさぁ。」
「『私たちズッ友』とか『ずーっといっしょ』は、私が6年の時
好きだったけど、香世に取られた子への、気持ちの表れ。
『引退』は、鹿良?あんたへの、嫌がらせ!うっふふ!
あんたがバスケ部を引退することのにーおーわーせ。ふふふふ!!!」
鹿良「…ごめんね、ほんとにごめんね!」
美津姫「鹿良ちゃんは何も悪くないわ。問題は桃奈ちゃんと、香世ちゃんよ。」
霞音「全然、気にしなくて良いと思うよ。ねぇ、桃奈ちゃん?
鹿良ちゃんが香世ちゃんだと勘違いしてしまうのは、仕方ないこと。
でも、それじゃ鹿良ちゃんが可哀想じゃない?桃奈ちゃん、それじゃあ、
香世ちゃんと一緒だよ?」
桃奈「うるさいなぁ!私だって苦しんでんの!少しくらい嫌がらせしたって
いいじゃない!」
鹿良「……ごめんなさい。」
霞音「鹿良ちゃん、本当に、気にしないで大丈夫だからね!
苦しんでるから嫌がらせしても良いなんて決まり、ないから。」
美津姫「そうよ。これからはもう、桃奈ちゃんとは関わらなくていいわ。
3人でいましょう。あぁ、桃奈ちゃんだけが違うクラスで、
良かったわ。」
桃奈「は?はぁ??ふざけんじゃねぇよ。まだ私ぃ、鹿良にしか嫌がらせ
してないんですけどぉ??私の前で屁理屈かました美津姫にもぉ、
可憐で偉大なる私を責めた霞音にもぉ、復讐してやりたいんですけどぉ!」
鹿良「本当にっ、本当にごめんなさい…」
霞音「大丈夫だよ、大丈夫だよ…あのさぁ、《《桃奈》》?屁理屈かましたのは
どっちだよ。あのさぁ、苦しんでんなら嫌がらせしていいとか馬鹿なこと
言ったのはどこのどいつだよ!!」
美津姫「これ以上鹿良がダメージを喰らうのはもう、見てられないわ。
桃奈ちゃん、絶交よ。覚悟はできてるわよね?」
桃奈「はぁい!私、6年の時のダーリンと付き合うからぁ!あんたたちと一緒にいる
余裕なんてねぇんだよ!さよーなりー!!!」
---
鹿良「……ぐすんっ…ごめんね、私が交換日記に賛成したから…」
霞音「そもそも、始めようとしたのは桃奈だし。あんな奴、
できることなら、不特定多数の人の目につきやすいところで晒したい」
美津姫「あ、それなら、書庫の1番目立つ場所に、この前まで記録が
あったのだけど、その記録が今、別の棚に移動されたのよ。
だから、桃奈についての記録を3人で書いて、
そこに置いてやりましょう。」
鹿良「そう…だね!でも、そのー…交換日記はどうするの?」
霞音「うーん…交換日記は、証拠品として記録に入れちゃえ!」
美津姫「いいわね!早速今から記録、書いちゃいましょう!」
霞音「そうだ!昨日、丁度、車庫から記録用のファイルと紙取ってきたの。
そこに書いちゃお!」
【犯人はT】
著者・S.K
H.K
S.M
私たちはいつめんで交換日記をしていました。でも、
最後のページに「私たちズッ友」「ずーっといっしょ」「引退」
「もう少し♡」「もう終わる♡」などと、おかしな文が書かれるように
なってきました。それを書いていた犯人は、A.Tでした。
鹿良「よしっ!かんせー!」
---
〈書庫〉
桃奈が書庫に入った。
「あ、そーだ。久しぶりに【香世は最低】見よー。手応えあったかな?」
「…ん?なんだこれ。【犯人はT】?これってもしや…犯人は桃奈って…こと?」
「著者!著者は…S.K…青月霞音だ!H.K…これは、白城鹿良!S.Mは
紫麗木美津姫ね。あいつら…」
「こんな記録…!破ってやる…!この…」
「桃奈…!?何してんの!?」
「え?」
小学6年生の時、好きだったけど香世に取られた、|優人《ゆひと》が見ていた。
桃奈「…ゆ、優人くんっ。私ねっ、壊されてたから直そうと…!」
優人「情報通だよ。全部知ってるから。鹿良から聞いたよ。」
桃奈「ねぇ。もう、香世とは別れたの?」
優人「うん。中学、別になっちゃったし…。」
桃奈「えっ!?じゃ、じゃあさぁ…!私と付き合ってよ!」
優人「無理。」
桃奈「え…?だって私、可愛いし、優しいし…何でダメなの?」
優人「さっき公園で、鹿良をいじめてたの見たよ。」
桃奈「え」
優人「さようなら…。」
「私の味方は、いないの…?」
「そこのあんた、あんたで良いから」
「私の味方してよ」
「ねぇ…」
あ、#3〜#4に出てくるMBTIの相性に関しては、書けなかったからググってください!
てわけで、完結!ありゃした
あ、あと伏線についてですが、
多分交換日記が回ってくるたびに、全員最後のページを見ると思うんですよ。
で、その結果ほぼ毎回1番最初に気づいているのが霞音ちゃんで
霞音ちゃんがやっていたわけではないので、
霞音ちゃんの1手前の桃奈がやっていたわけです。じゃね