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シティ・ロマンス 第六話
林沢レオ
熱海の旅館で変な夢を見た。
小さい時のことをそのまま流しているような夢だった。
ただ、人の声とか音は聞こえなかった。
ピアノの曲が流れているだけだった。
お袋が隣で僕におとぎ話をしてくれてた。
とっても素敵で、神秘的で、ファンシーなお話だったことは覚えている。
ただ、内容は覚えてない。
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東京へ戻ってきた。
大学は明日も休みだが、お土産を渡すため公園に行った。
「あ、おかえり〜」
「毎日ここにいるんですね」
「そりゃそうよ。ここにしか居れないんだもん」
「何言ってるんですか。そんなことより、ほら。お土産」
「買ってきてくれたの!?」
「はい、一応。チーズケーキです」
「…」
佐倉さんの頬に涙が伝っていた。
「ど、どうしたんですか」
「嬉しい…」
「そんな…大したものじゃないし…」
「人から旅行のお土産もらうのとか初めてだもん」
「喜んでくれたみたいで、何よりです」
「ありがと」