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実況者曲パロ 【ぱーと1】
今回はNeru様の「い~やい~やい~や」です。
レトさん「」 キヨ〈〉 コメその他《》
それではどーぞ
「あーーー…」
《レトさん最近投稿してないよね、、引退すんのかな?(´;ω;`)》
《レトルトの投稿頻度減ってるよな。潮時か?》
《どーせすぐやめるだろww》
「……」
潮時なのも、すぐやめるかもしれないのも知ってる。だって俺は実況者を職業にしようと思って始めていないから。ただ何の気無しに適当に始めただけ。こんなに大きくなるなんて思いもしなかった。
だからこそ、この大変さに押しつぶされたんだと思う。
《みんな俺が引退したみたいに言ってるけど本気出してねーだけだから!!ま、まだいけるから!!!(´;ω;`) レトルト✓》
「あー、これ何回目かな…笑」
起きたまんまの無造作な髪にちっちゃくて一重の両目。学歴だって一応大卒だけどそこらの平凡なとこだったし。
「はーぁ、ったく笑うなら笑ってくれよ…ははっ」
どーせ優等生じゃ無いし、無理する意味、無くない?
ぷつり、と何かが切れる音がした。
「別に、俺いなくてよくね?w」
枕元の睡眠導入剤を一気に飲み干した。
ぐらっ
――――――
「っ、、、頭、いたぃ」
ぐらぐらとめまいがする。そのうえ吐き気まで。
「俺は逃げることも許されないんかな…」
いやーー…世の中は厳しいね、、
中学からだった。学校ではいつも一歩後ろでみんなのことを眺めて、ゲーム仲間の前では調子乗ってふざけまくって。 自分から話しかけるなんてこと無い。話しかけられるまで一人で寝たふり。
そんときから人との間に壁を作るようになった。なのに、
《レトさん、大丈夫? キヨ》
「なんだ、キヨか…笑」
嘘も方便って言うし、
《急になんだよ(笑) だいじょぶってか――》
同情なんてこっちが惨めになるだけだろ?
《――別になんでもないよ》
送信
「あーーもうどうでもいいや…最初っからいないんだよ俺は。…そういうことにしてくれ」
また、睡眠導入剤に手を伸ばした。
―――――
時刻はAM2:00。 目がさえてしょうがなかった。
ふと、自分のスマホを手に取る。
目に入るのはキヨからの大量の通知。
「……あ、もしもしキヨ?ごめん、出れんかった」
〈ん?あぁ、いいよ別に。急なんだけどさレトさん、最近変だよな〉
「…そ、そうかな」
〈投稿頻度減ってるし、まぁ普段から電話に出ないことはあるけどここまでかけて出ないって変だと思って。〉
「あー…」
もう、言って仕舞おう。終わらせよう、キヨに申し訳ない。
「俺、死ぬわ。」
〈へー、そっか〉
「っえ、とめ、ないの?」
〈何で。〉
「何でって…」
〈死なねぇのはレトさんがヘタレだからだろ?〉
「え、ぁ」
〈止めはしない。それはそっちの判断に任せる。でも俺は中途半端が一番嫌いだ。〉
「…」
〈ほんとの気持ちを言えば死んでほしくない。またレトさんとイベントしたいし、どんどん進みたい。〉
「ぅん。」
〈どーせ死ぬならしっかり死んで来い。〉
はは、こいつ後輩のくせに笑
こいつばっか人気になるなんて気に食わない、死ぬなら、、、
――――こいつを抜いてからだ。――――
「ありがとう、キヨ。」
〈ぁ、?何が〉
「なんかむかつくから生きるわ。」
〈っふ、そおか!!〉
「んじゃ」
〈また明日。ウイイレだからって遅れんなよ!〉
電話越しのキヨの声が震えていたのはきっと気のせいだ。
《俺は本気出したらすごいから!!明日から投稿します! レトルト✓》
脳無しでいい。風来坊で、クズでいい。
明日は明日の俺が能天気に頑張ってくれるよ。だから今日は、さ。
「いーや。」
長めでしたが読んでくれてありがとうございます!結構自信作です!