公開中
これでも太宰の相棒です
麗華side
『国木田から電話。十五番街の西倉庫に虎が出るらしい。非番の子たちも呼んで。』
って、谷崎くんは無理だろうな。
『僕は先に行くけど、谷崎くんは無理だから、多分。じゃあね。』
いやまあ、何の心配もしてないけど。きっと虎の異能力者だろうし。
走って数分。まあ、屋根を走ったんだけども。
『だーざい』「…あなたは?」『僕?太宰の同僚兼恋人。麗華だよー!』
するとどこかでガタンという音がした。
「きっと奴ですよ太宰さん!」『僕は風で何か落ちただけだと思うよ』
「ひ 人食い虎だ…!僕を食いに来たんだ…!」
「座りたまえよ敦君。虎はあんなところから来ない。」そう言って太宰は言葉を続ける。
「そもそも変なのだよ敦君。経営が傾いたからって児童を追放するかい?
大昔の農村じゃないんだ。」『そもそも。敦君を追放させたところで経営は戻らないよ。』
「麗華さん何を云って_」
敦君はずっと、月を見続けている。僕は確信した。
この子がきっとフランシスが探している虎__月下獣だ。
「君が街に来たのが2週間前。虎が街に来たのも2週間前。」
「君が鶴見川の川べりにいたのが4日前。同じ場所で虎が持着激されたのも4日前」
『君だけがわかったなかったんだね。敦君も異能を持つ子だよ。』
---
麗華side
僕はそのあとのことをよく覚えていない。
あんまりにも退屈だったせいか、何にも。
暇だった僕は敦君に手紙を書いた。
【敦君、君のために彼らの異能力を教えておくよ。
太宰治 :人間失格。あらゆる異能を無効化する。
国木田独歩:独歩吟客。手帳サイズのものなら彼自身が構造を理解すれば創造できる。
谷崎潤一郎:細雪。いわゆる幻覚を見せることができる。
与謝野晶子:瀕死の状態に限るが、外傷を治せる。
宮沢賢治 :雨ニモマケズ。空腹状態に限るが、怪力になる。
荒井麗華 :氷炭相愛。瀕死の時に限るが、性格が真反対の人に自分の記憶をコピーする。
君はきっと|武装探偵社《ここ》に入るだろうからね。
麗華より。】