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ルビーの木
ここは貧しい人々が住んでいるX村である。
人々は毎日、遠くの町に働きに出ている。
時々仕事のストレスで自殺してしまう者がいる。
そして、最近は若者はほとんど都会に行ってしまい村には年寄りしかいなくなった。
その村の村長の目線で話は進む。
わしは|桃木酒人《ももきさかと》。
X村の村長だ。
この村は老人しかいない。
昔、ここで生まれ育った若者は都会へ行き、ここに戻ってくることはない。
その都会で若者たちは上手くお金を稼ぐことができているらしい。
しかしわしらはあまり体が動かないため、お金を稼ぐこともできなくなっていた。
美味しいものを食べることはほとんどなかった。
そんなわしの耳に驚きの言葉が飛び込んできた。
「村はずれの木にルビーがついてるんです!」
その声を聞いたときは噓だと思った。
ルビーが木になるわけない。
そう思いつつもついていくと、わしは目を疑った。
わしの目の前には美しく輝くルビーがなる木があった。
皆、叫んでいる。
わしは村の人々をなだめ、このルビーをどうするか緊急集会を開いた。
すると全員がルビーを欲しいというのだ。
わしはルビーを分けた。
皆大喜びで家へと帰っていく。
わしも鼻歌を歌いながら家に戻ると金庫にルビーを入れ眠りについた。
次の日、わしは質屋にルビーを持って行った、結果は2億円の価値のあるルビーだそうで、わしはそのルビーを売り、2億円を手に入れた。
ルビーが2億円の価値だと知ると、村の人々はどんどん質屋に売りに行った。
1週間後には村の全員が大金持ちになっていた。
そして、わしはそのことに興奮していたため、町まで行くと叫んだ。
「わしの村にはルビーのなる木があるぞ!」
すると、強盗がわしらを狙うようになった。
わしらは精一杯金をとられないようにしたが、ついに隣の家で強盗が起きてしまった。
2億円をごっそりとっていかれたようで、かなり落ち込んでいた。
少しでも元気づけようと話に行くと彼は顔を上げわしを睨んだ。
「お前さんのせいだよ。ルビーの木のことを叫んでいなければわたしの金は盗まれなかったのに」
そう彼がいうと、周りの人々もわしのことを非難し始めた。
「お前のせいだ!」
「そうですよ!あなたのせいで!」
わしは恐ろしくなり逃げ出した。
山道を走っていると石につまずき、崖下へと転落してしまった。
痛みにもがく中、わしは意識を失った。
END