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1-6 いつか来ることはわかってた。
いつもに増して暗い回です…!
あと、調べてもわからないところは物語の都合のいいように書いているところがあります。
今日は終業式で、小学生は11時半には家へと帰れるが、中学生は何やら色々とすることがあるらしく、隼人の帰りを自分の部屋で待っている。
隼人は「僕が居なくても別に来て良いよ」と言ってくれているが、幼馴染とは言え人の家だし、居心地が悪く、母親の真樹の機嫌が大層悪い時しか行かないようにしている。
「紗絢」
突然真樹に声をかけられ驚く。
普段自分から話しかけることも、名前を呼ぶことすらないのに。
「な、に?お母さん」
近づいてくる真樹に思わず後退りしてしまう。
「…紗絢さ、最近よく出かけてるでしょ」
何がいいたいのかわからないが、否定するのはよくない、今までの経験でそれだけはわかる。
「、そうだね」
「…お母さんのこと、裏切ったりしないよね?」
「…裏切る?」
「あの人みたいに、他のところに居場所作って、お母さんを放っておくなんてこと、しないよね?」
真樹は、一人ぼっちになるのが嫌なのだろうか。だったらこれを言えばいい。
「もちろんだよ。私の居場所はお母さんだけだよ?どうしたら信じてくれる?」
真樹に抱きしめられる。完ぺきな返しだったようだ。
「…じゃあ、いっつも何処に行ってるか、教えてくれる?」
「隼人くんのお家だよ。隼人くんね、いっつも一緒に遊んでくれるんだ」
「隼人」という名前を出した途端、真樹野動きが固まる。
「…隼人、くんって、隣の?」
「うん。隣の」
そう言った途端、紗絢を抱きしめていた手は解かれ、肩を押される。
「痛っ!」
肩を押された衝撃で、後ろに倒れ、壁に頭を打ってしまった。
「…お母さん?どうしたの、」
「…なんで、なんでなんでなんでなんでなんで!!なんてお前もアイツのとこに行くのよ!」
真樹は紗絢に跨り殴りかかる。
「アンタさえ…アンタさえ居なければ!こんな場所に引っ越す必要もなかった!私は美しいままで居られたのに!!」
こんなに凶暴になった真樹は初めてで。どうすればいいのかわからない。
「なんで…なんでアンタまで居なくなるのよ!私を…私を1人にするなんて…!!」
もう言い返す気力も、腕を跳ね返す気力も無く、自分を無にすることに専念するようにする。
どれぐらい経ったんだろうか。
意識を保つことが精一杯で、声すら出せない。
声出せるうちに叫んどけば良かったな。そしたら誰か見つけてくれるかも知んないのに。
殴っても返事もしない、表情も変わらない紗絢に飽きたのか、真樹はキッチンの方へ行った。
「このままここで暮らしてけんのかな」
「出来るわけないでしょ」
ポツリと放った誰に言うでもない言葉に返された真樹からの言葉。
気づかないうちにキッチンから帰ってきていたようだ。包丁を持って。
「え、?お母、さん?」
「アンタを殺して私も死ぬの!!」
真樹は包丁を逆手に持ち、今にも紗絢に襲い掛かってきそうな形相だ。
「やめて!やめてよ!!」
掠れた声で叫ぶ。
後退りするも広い家ではないため、もう壁にぶつかってしまう。
「やめて!助けて!!」
どれだけ怖くても叫び続ける。死にたくない、怖い、誰か助けて、隼人、隼人!
段々と近づいてくる真樹。
もうダメだ、死ぬ。
ドンドンドン!!
2人の動きが止まる。
「警察です、開けてくださーい!」
しばらくすると、家の窓がガラガラガラと開く。
横の部屋からベランダへ入ってきたようだ。
この部屋は角部屋な為、きっと帰ってきた隼人が通報したのだろう。
2人の男性が真樹を取り押さえようとしている間に、女性が紗絢の方へと向かう。
真樹は何かを叫びながら、包丁を振り回し、暴れている。なんて言っているのか、紗絢には分からない。
「紗絢ちゃん!大丈夫だよ、もう安心してね」
抱きしめられる。ついさっき、真樹に抱きしめられたことを思い出し、つい突き飛ばしてしまう。
「紗絢ちゃん、?どうしたの?大丈夫だよ、私は何も危ないことしない。だから、お話してくれないかな?」
「いやっ、やめて!」
自分でもなんでこんな事をしているのかわからない。
あのお姉さんは助けてくれると言っているのに。
「…女の人が無理なのかな。紗絢ちゃん、そこで待ってて。絶対動かないでね」
そう言うと警察の女性は、真樹を取り押さえ、連行しようとしていた男性と何やら話したあと、女性は真樹を連行し、男性が紗絢の方へと向かってきた。
「紗絢ちゃん、もう安心だよ。お母さんは、居ないから。これから紗絢ちゃんに行ってほしいところがあるんだけど、良いかな」
「…行ってほしい、ところ?」
「うん、安心で、安全なところ。そこでしばらく暮らして、紗絢ちゃんが元気になったら戻って来る」
「…しばらくって、どのくらい、?」
「そうだなぁ、夏休みいっぱい、とかかな」
「そしたらまた、戻ってこれるの?」
「うん、もちろん」
「じゃあ、行く」
紗絢がそう言うと男性は、立ち上がり、紗絢を担ぎ上げ、玄関へと進む。
玄関を出ると、そこには騒ぎを聞きつけた人がたくさん。
その中には隼人も居る。
「隼人、ありがとう!またね!」
そう手を振るが、隼人は、一瞬目を見開いた後、すぐに下を向いてしまった。
「、隼人?」
いつものように下から覗き込もうとしたが、隼人よりも長身の男に担ぎ上げているため、隼人の顔を見ることは叶わなかった。
これ、pg12入れたほうが良いですかね?
悩んでるんですけど、どうですか?
コメントで教えてくれると嬉しいです!