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魔法少女はロリ系女の子!
KUZIRA
ここは、いたって普通な世界のはず、だった。
「ふわぁ、授業終わったぁ〜!」
私の名前は|神代《かみしろ》|玲香《れいか》。普通の中学一年生。
「もう、寝すぎだよ〜!」
くすり、と笑うのは親友の|一条《いちじょう》|杏菜《あんな》だ。
「あ〜、玲香かわいい〜!」
「ちょ、何?」
「玲香ってさ、ぬいぐるみとかフリルとか好きだし、ロリ系女の子だよね!身長も低いし!」
「失礼な!」
怒りながらも帰る準備をした。
「帰ろ〜、杏菜〜」
「うん!あ、季節限定いちごみるく飲みに行こうよ」
「ごめん、今日用事があって〜…」
いちごみるくは気になるが…今日は前のテストの点数の成績があまり良くなかったので勉強をするのだ。なので、残念だが杏菜の誘いを断る。
「そっかぁ…」
残念そうに杏菜が笑う。
「ほんっとにごめん!明日行こうよ!」
「うん、今日は残念だけど…明日、楽しみにしてるね!」
ばいばーい、と解散をして、私は家に帰った。
ーー数時間後。
「お母さん、まだかなぁ」
家はお父さんは出張でいないし…。
今日は早く帰ってくると言っていたので、どうしたのかと心配になる。
(連絡もないし…)
「よしっ、お母さん探しに行こっ!」
まずは家から駅まで。
(いない…あそこにまだいるのかな…?)
お母さんはお弁当屋のパートなど、色々なパートを掛け持ちしている。今はお弁当屋に行けばいるかもしれない。
「すいません、お母さんいますか?」
「あら、玲香ちゃんどうしたんだい」
「お母さんが帰ってこなくて…」
「え?お母さんならもうとっくに帰ったよ」
「……?」
おばちゃんの言っていることが謎だ。
「ッキャァァ!!!」
(この声は…お母さん!?)
外に出て声のした方向を見ると確かにお母さんがいた。
いた、けれど。
(な、なんで!?)
お母さんは黒いモヤに包まれていた。
…だけど…他の人…もしかして見えてない…?
(ど、どうすればいいの!?)
自分のお母さんがピンチ。だけど足が動かない。
「やぁ、神代玲香さん」
「あ、貴方…だれ!?」
「私はネロ・バレッタ。君のお母さんに絡みついている黒いモヤーーいや、影を作った。」
「え!じゃあ、黒いモヤ、消せるの!?」
「ええ、消せますとも。しかし、交換条件がありますけどね」
「何!?」
「神代玲香さん。貴方が私の下僕になる事です」
「下僕!?」
「だって、お母さんを助けたいんでしょう?」
ネロ・バレッタはまるであざ笑うかのように玲香を見下ろした。
「玲香、これ使って!」
「杏菜…?」
なぜか私の近くにいた杏菜は私に宝石を渡した。
「宝石にお母さんを助けたいって思いを入れて!」
「…」
黙って、お母さんへの気持ちをこの宝石に入れる。そうすると私の体が光はじめた。
気づくと私は変身をしていた。ピンクフリルがたくさんついていて、ぬいぐるみモチーフのかばんもある。
「えっ、ええ!!??」