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なつまつりときみ。 第一話
主人公 ソラ
ヒロイン ツツ
「ぴーひゃらぴーひゃら」
神社の入り口にあるスピーカーから縁日の音が聞こえる。
少し長い階段を抜けた先、そこにはたくさんの人で溢れかえっていた。
一年に一度、この日だけ会える友達を探して、僕は神社のさらに奥の森へと入っていく。
去年よりもかなり荒れた山道を歩き、僕は小さな鳥居を見つけた。
本当に小さな、子供だけが入れる鳥居。
でもそこの奥には、社も何もない。ただの山が続いているだけ。
僕は思いっきり息を吸い込む。
そして勢いよく鳥居の中へ駆けてった。
ゆっくりと目を開くと、そこはあの縁日とは似ても似つかぬ光景だった。
色とりどりの提灯が並び、たくさんの屋台が出ている。
たくさんの子どもがはしゃぎまわって、大人は屋台で酒を飲む。
それだけの光景だ。
ただ一つ、違うのは全員が人ではないことだろう。
角が生えていたり、耳がとがっていたり、はたまた人の姿じゃないものもいる。
そんな中で僕は一人の女の子を探す。
きっと近くにいると思うんだけどなぁ・・・
「おーい、ツツー!いるー?」
大声を出してツツを探す。
「ツツ―?ツツ―?」
あたりを見回してみるが、ツツはいない。
「ツツー?ツツ―?!」
「いるよ」
ひょっこり現れた獣耳の少女に僕はパっと顔を輝かせる。
「ツツ!探したんだよ!!」
ツツは少しだけ悩んで言った。
「ごめんね、寝坊してた」
申し訳なさそうに耳をシュンとさせる姿がとても可愛くて、思わず笑ってしまった。
「それと…」
「うん?どうしたの?」
「ソラ、少し人間臭い…かも」
少しだけ申し訳なさそうにツツは話す。
「この町は昔、人間の大人に追い出された者が住んでる場所だから、人間…特に大人には皆敏感なんだよ…」
「じゃあ…どうしようか…」
ツツは少し考えた後に、ポケットに手を入れ、何かを探し始めた。
「ツツ、なに探してるの?」
探し物はなかなか見つからないようで、ツツはポケットの中身をすべて出し始めた。
「…あった!コレあげる!!」
てのひらには指輪があった。
「コレね、前にばあ様がくれたの!人間の子どもが来たら渡しなさいって!
これを付けている時だけ、私たちの仲間になれるんだ!」
手に取って見てみると、指輪は小さな紫の宝石?がはめられていてとても綺麗だった。
「ありがとう!早速つけてみるね!!」
指輪を中指に着けると、少しだけ視界が揺れた後、すぐに元に戻った。
「あれ…?何も変わってない気がするけど…」
ダメだったかな…と不安にツツを見つめると、彼女はすごくいい笑顔だった。
「ダイジョーブ!!ちゃんと人間の匂い取れてるよ!」
そうなんだ…それならよかった。
「でも、何か変化があると思ってたんだけど…」
ツツはゆっくりと首を振った。
「大丈夫、ちゃんと変わってるよ。
今はそれが分からないだけで、いずれ解るようになるから。」
そう話す彼女は少し遠いところを見ていた。