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物心ついたときから魔法少女だった。2
キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
昨日はお姉ちゃんと仲直りできなかった。
――今日は、家も学校も行きたくないな。
休み時間にそんな事を考えていると別のクラスから友達を呼びに来る子たちが入口に集まってきた。
「ゆり、ミチが呼んでるよ〜」
「あ、ミチー昨日はごめんね〜」
あんなふうに謝りたいな〜と思ってゆりという人とミチという人を見ていた。
そして、気がついた。そして私は青ざめた。それに気づいたミチも青ざめた。
ミチ、みち、美知。
私がいじめられる原因になった人だ。
私は善意で助けたのに、彼女は私がいじめられているのを見ても助けてくれなかった。
「ご、ごめん!私、次移動教室だから!」
そう言って美知は慌てて逃げていった。
〈side美知〉
え?おんなじ中学校だったの?私は動揺を隠せなかった。
卒業式後すぐ引っ越しがあって少し離れたところに引っ越した。親戚のゆりがおんなじ学校で楽しく学校生活を送ってたはずなんだけど。真歩が私のせいでいじめられているのは知ってた。でも、自分がいじめられるのが怖くて、いじめっ子になんて言ったらいいか分かんなくて、影から見ることしかできなかった。申し訳ないと思ったけど、小さい頃にいじめられたトラウマが私を縛り付けていた。
――ごめん真歩。ほんとにごめん。
その短い言葉でさえも真歩にかけてあげられなかった。ゆりはすぐ謝れるタイプ。羨ましい。
――真歩は、私のことを恨んでいるだろうな⋯
いつか、真歩に謝りたい。