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誰も知らないよ3
はなは、ある男性とぶつかった。
どうやらその男性も、同じく病んでいたようだ。
「少し…時間ある?でも君…小学生くらいだね。お母さんとかいないの?」
彼女は少し困惑した。
(元々病んじゃってた人が私みたいな人間を信用してくれるのかな…?)
「…。お母さんは…、来るつもりだったんですが…。仕事で急用ができたので私1人です…。」
「わかった。じゃあ…そこ、座り。」
彼は笑顔で彼女と話す。
「僕ね。中学3年生。特にいじめられたわけでも虐待されたわけでもないのにね。だんだん自分を追い詰めてたらしくて…。」
(あ…何となく私と同じ…かも。)
彼女は彼と似たもの同士ということは確信した。
「君は…?」
「出会ってすぐの人間に事情を説明するなんて…私にh…。」
話してる途中で、彼女はこんなの優しくしてくれる人にまで無愛想なの…か私、と思ってしまい、言葉が詰まってしまった。
「ううん、いいんだよ。僕も昔そうだったから。でも今はね。取り戻した…というか、変われたんだ。僕が塾に通うときに、いつも街のベンチに座っているおじさん。そのおじさんが、呼び止めて話聞こうか。と言ってくれた。その時、僕も君と同じように答えたよ。するとね…。知らない人に話す方が意外と話しやすいしすっきりするぞ。それにおじさんはお前の人生の大先輩だ。と言ってくれたんだ。」
「そ、それで…?」
「僕は塾の時間にまにあうように、毎日少しずつおじさんと話した。それでだんだん心が晴れた。」
彼女はいつのまにか、泣いてた。氷が溶けていた。
読んでくださってありがとうございました。
次回おお楽しみに。