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ハロウィンまで後少し2
ある夜。魔王城では家族会議が行われていた。
「...ふざけんじゃねぇ。」
「反省しろ」
「誠に申し訳ございません。」
家族に責められ、土下座状態なのは、国の王。すなわち《魔王》であった。
「転移装置、それもまだ試作段階で実験中の物を庭に出しっぱなしにしておくとかありえないんですけど?」
アーテの姉,パンプキン・サンライトが殺気を飛ばす。
「転移先の目星はもちろんもうついてますよね?」
静かに微笑むのは、アーテの兄,シュレッド・サンライトだ。
「あぁ、付いている......」
「何処?」
「.....人間界だ。」
「「ハァッ?!!!!!」」
二人が悲鳴をあげる。
「アーテはまだ8歳で、人間界の事は伝えてないのよね?」
「ということは、帰り方なんてもちろん知らないわけで、」
「結構ヤバい。」
はぁぁぁぁと、深いため息をついた後、椅子からパンプキンが立ち上がり、一冊の本を持ってきた。
「この本によると、人間界には、ハロウィンと呼ばれる行事があるらしいわ。人間達はその日、私達魔族の真似をしてお祝いするらしいの。そして、魔界と人間界が行き来しやすくなって、たまに行方不明者や、人間がやって来るのがこのハロウィンよ。」
「この日なら、あっちの世界で目立ったり、怖がられる角や尻尾があっても大丈夫って訳ですね。」
「そうゆうこと。」
「_いつなんだ?」
「丁度来週....7日後よ。」
「では、儂は、それまでにアーテの居場所を割り出しておく。」
「わかりました。」
「では、よろしくお願いします。」
「.....手伝ってくれないの?」
こうして家族会議が終わり、それぞれ自室に戻った。
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その頃、アーテは、高野と嶋田に魔術を披露していた。
____続く?