公開中
あの日
友達が死んだ。
死因は自殺だった。
彼女はよくリスカをしたり薬を飲んだりしていた。
そう、彼女は病んでいた。
「私生きてる意味あるのかな」とか「親に虐待されてる」とかよく言っていた。
自分は大袈裟だな、病みアピうざ、いなくなってしまえ とまでも思っていた。
虐待されているといっても悪いことをしたから少し叩かれるとかその程度だと思っていた。
でも違った。
実際は思い切り殴られたり蹴られたりリモコンで頭を殴られたりしていた。
服で見えないところに大量のあざがあったらしい。
あの子、本当に虐待されてたんだ。
辛かったんだ。
私に助けを求めてたんだ。
病みアピがうざいといってもその子はいつも私のそばにいてくれた。
私はあの子に支えられていたんだ。
大切なものは失ってから気づく。
もう少し話しておけば、相談に乗っておけば、そう思った。
後悔の涙と大切なものを失った悲しみの涙があふれてきた。
それと同時に彼女を止められなかった自分に罪悪感が芽生える。
過去の自分を殴りたい。
できることなら過去に戻りたい。
そう強く願った。