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初顔合わせ
「集合所は…ここで合ってるな。」
ここから読む人のために今までを要約すると、私はひとりでに動く短剣に殺され、地獄行きを回避するためにミッションに挑んでいる。
「おっと、まだ誰も来ていないみたいだな。焦らず待っとけ。」
さっきからずっと喋っているこいつは天使である。私をミッションに引きずり込んだ張本人だ。
…と罵倒しているが、地獄行きを回避する方法を教えてくれた、感謝すべき存在なのである。
まーだかな。はーやくこーないかな。
「来たぞ」
来てた。そこには、ポニーテールの快活そうな女の子。年齢は一緒ぐらい?
「もう一人来たぞ。」
また来てた。高校生ぐらいのメガネの男子。
ポニテの子が話しかけてきた。
「はじめまして!|星影菜摘《ほしかげなつみ》、中2です。これからよろしくね!」
どうやらガッツリ陽キャらしい。私の陽キャ魂も目覚めだす。
「こちらこそはじめまして。中1の|波橋月雫《なみばしるな》です。よろしくお願いします!」
あんまり目覚めてなかったらしい。何なら標準語&敬語にキャラ変してしまった。
「なんて呼べばいいですか?菜摘さん?」
「んーなっちゃんでいいよ。年齢も1つ違いだし、部活とかじゃないから敬語じゃなくて良き。波橋さんはなんて呼べばいい?」
「じゃあ私は…るーちゃんで!」
するとメガネ男子も寄ってきた。
「えっと…高1の|津田響希《つだひびき》です。呼び名は何でも…よろしく。」
「じゃあひびきっちで!」
なっちゃんにより強制決定。悩む間もなかった。
「おーい、残りの2人も来たぞー」
丸縁のメガネをかけたハーフアップの優等生そうな女の子と、つんつんヘアのゲーム好きそうな(偏見)男子だった。
「はじめまして。|藤原鈴華《ふじわらりんか》です。15歳。よろしくお願いします。」
やはり真面目そう。なっちゃんが話しかける。
「星影菜摘、中2です!よろしくお願いします。りんりんって読んでいいですか?」
「何でもご自由に。タメ口でいいですよ。」
敬語で言われると説得力ゼロである。
「…|杉原叶人《すぎはらかなと》。小6。」
無口というかむっつりというか。
2人ともにさっきと同じ自己紹介をする。
し終えたところで空からまた何かが降ってきた。
仙人っぽい。いや、仙人を見たことがあるわけじゃないけど。
「全員揃ったな。では今からミッションに移ってもらう。自己紹介してもらったところ悪いが、名前は全部変わる。別人として一時的に生まれ変わるからな。」
…そういうことは先に言ってほしかった。
仙人の一言のせいで今日の話がすべて無駄になってしまった!さあどうする
逃げる 続ける ▶寝る