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暁前の微光【最終話】
嘘のような実話。
実話のような嘘。
この話は嘘か、本当か。
カラ、LOUIS、寺、周…4人の少年少女達が織り成す怒涛の家出劇。
強くなったね。と
貴方に認められるその時まで。
微光はやまない。
カラ「僕らもした事あったよね、家出。四人で」
LOUIS「___うん、ごめん嘘ついた。」
カラ「うん。」
周「私も…実は覚えてる。」
寺「私も。もう、__5年も経つのに…」
「___忘れない。多分、というより絶対。僕らはあの日を忘れられない。」
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LOUIS「外に行きたい」
カラ「お前…自分がどんな状況なんか、分かって、言ってんの」
LOUIS「……」
カラ「なんか、返事…せえや。お前、つい2週間前に倒れて、そんで……」
寺「カラ」
カラ「そんで……、病院いって、病気やったんちゃうの」
LOUIS「……俺は。___俺は部屋に篭るため生まれてきたんじゃない。外に出たい。木を見たいし、猫と遊びたい。商店街にも行きたいし、学校にも行きたい。」
LOUIS「なぁ、お願い。」
カラ「いいよ」
カラ「LOUISを外に連れ出すことをお母ちゃんに言うても、多分、と言うか絶対。許してくれへんから。それに、なんか家出の方がスリルあってイイやん!」
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寺「オッケー、準備完璧やな?扉の鍵しめた?」
二人「ばっちり」
周「うん、ほんなら先どこ行く?」
「うーーーん………」
駅!!!
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カラ「ちょ、…と、取って食うならLOUISにしてぇえええ!!!」
LOUIS「はい??」
カラ「死にたくない…ヤダァアアアアァア」
「ちょ、おっちゃん本当に変な人ちゃうよ?ここの駅長やねん。」
カラ「誰か助けてェエエエエエエエエエエエエエエエエイィイイイヤァアアアアア
______…え?」
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LOUIS「どうしても、観たい場所があるんです。」
寺「今日やないと、多分来年まで待たんとあかんから。」
周「おっちゃん、お願い。見逃してくれん?」
カラ「おねがいします!」
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LOUIS「頭打ってたら、危ないから、」
カラ「ごめんなさい」
寺「滑った時はびっくりしたよw」
周「気いつける!」
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カラ「LOUIS、前が見えないだけ?他になんか変なとこある?」
ないよ、とLOUISが落ち着いた声で答える。
大丈夫かな、と周が隣で呟いた。
カラ「じゃあ、どんな感じで見えないの?まっくら?」
LOUIS「ちかちか、するだけ。ぼんやり」
カラ「じゃ、ちょっと休も」
「あそこの公園まで、いける?」
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寺「カラ、私も飴もらってええ?」
カラ「ん!ええよ!」
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「こないだ、起きて窓の外見たらこんっっっなにでかい黒猫が_____」
寺「あ、見て。あそこに小さい鳥がおるで。かわええな」
周「あっ、ほんまやぁ〜」
カラ「_______聞けや!!!ww」
カラ「LOUISぅう〜二人がいじめr」
LOUIS「僕に共感求めないで」
カラ「ゑ」
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LOUIS「いこう」
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カラ「ん…えっ!?LOUIS、?」
周「どうしたの、」
寺「どこか痛い…?」
LOUIS「え?」
カラ「___泣いてるよっ、?」
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脳裏に焼きついたあの日が鮮明に思い出された。
LOUIS「家出したこと…あったね」
寺「いろんな事が起きたよねぇ」
周「うちめっちゃコケた記憶あるわww」
カラ「もぉ…なんで覚えてないなんて嘘ついたのさ!!」
LOUIS「まぁ…ね?」
言葉を濁すのは、僕が最後泣いたのを蒸し返して欲しく無かったから。
とでも言っておこうか。
カラ「ていうか…最後LOUIS、泣いてたよねっ?」
周「やっぱり?」
寺「まぁまぁ…w」
君達それ思い出さなくていいんだよ。
苦い思い出だなぁ…
本当におかげさまで。
泣くのなんて想定してなかったなぁ…
まぁ
それも全部。
なんで泣いてたの、とカラが聞いてくる。
本音を言うには、年頃の僕のプライドが邪魔するから誤魔化させてね。
ねぇ、もしも神様がいるのなら
三人にこれだけ伝えさせてください。
僕をあの場所まで連れて行ってくれて
今までもこれからも最高の贈り物を
「|目が痛かった《 あ り が と う。》」
ただ、それだけ。
--- 完 ---
これにて暁前の微光は完結となります。
短編小説として書かせていただきましたが、いかがだったでしょうか?
毎小説読んでくださった方々には、感謝の言葉しかありません。
ここまで、暁を支えてくださりありがとうございました。
至らぬ点はまだまだあると思いますが、これからも暁の執筆活動は続きます。
ご愛読のほど、よろしくお願いいたします。