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十六
優亜「・・・あった」
絵斗「ここが、入院棟444号室?」
笑太「開けるぞ・・・」
扉は嫌な音を立ててゆっくりと開いた。
らだ男「暗いし不気味だね」
直斗「ここに入り口があるんですよね。早く見つけないと」
優亜「あっ!これ見て!」
優亜は5本の鍵が入った箱を持ってきた。中には天秤も置いてある。
笑太「注意書きが書いてある。・・・どうやらこの鍵の中に本物の鍵があるらしい」
入っていた説明書には、こう書かれていた。
本棚の裏にある鍵穴にぴったりハマる鍵は一つだけ。
間違った鍵を刺すと鍵が爆破する仕組みだ。
確かめるには、天秤を使って本物を見極めるほかない。
偽物の鍵は爆弾が入っている分、重くなっている。
天秤にも爆弾が仕込まれていて、3回以上使うとこれも爆破する。
2回だけ天秤を使って、本物の鍵を見つけろ。
優亜「まるで俺らが来ること知ってたみたいだな・・・」
絵斗「2回で見つけられるもんなのか?」
らだ男「適当に使うのも危ないね」
直斗「手に持ってもわかりませんね・・・。どうしましょう」
笑太「・・・とりあえず二つずつ乗せてみるか?」
絵斗「その後どうするかが問題だけどな」
手始めに、右に赤い鍵と青い鍵、左に黄色い鍵と緑色の鍵を置いた。
カタンッ
右が傾いた。
笑太「・・・あっ!そうか、じゃあ今度はこれをこうして・・・」
笑太は手早く赤い鍵と青い鍵を取り除いた。
カタンッ
天秤は左に傾く。
それを確認し、笑太は黄色い鍵だけを右に置いた。
天秤は動かなかった。
左に傾いたままだったのだ。
笑太「本物わかった。黄色い鍵だ」
直斗「ええっ⁉︎」
らだ男「い、入れるよ・・・?」
本棚を押し倒し、現れた鍵穴に黄色い鍵を刺すと、さらに横にあった本棚が動き、四つん這いになれば通れるくらいの穴が姿を見せた。
優亜「すげえええ!スマイルさん見かけ通りの天才!」
笑太「見かけ通りは余計だ」
絵斗「これで中に入れる!」
直斗「懐中電灯を見つけたので、これを使って進みましょう!」
穴に入ると、中は意外と広かった。
直斗「通路みたいになってる・・・。血もついてますしホラーゲームみたいですね」
らだ男「誰か倒れてる」
女の子が通路に倒れている。助け起こすと、なんとその子は左手がなかった。
絵斗「手がない・・・まさか実験のために切られた⁉︎」
優亜「とにかくどこかに運ばないと!」
笑太「この先に安全なところがあるかもしれない。急ぐぞ」
直斗が女の子を背負い、小走りで通路を進んだ。