公開中
無縁異変ノ章 後編
「誰だ」
「あらぁ?」
曇っていた空に、ふわふわと幽霊が浮いていた。
「誰かしら。知らない子ねぇ。幽霊なら、みんな仲間なのにねぇ」
「煩いやつだな。とっとと始末してやる。縁符『切縁斬』」
しゅっ、しゅっ、と、日本刀が降りかかる。それを避ける。
「反撃するわね。霊符『幽霊連打』」
「バカだな。幽霊はいなくなったというのにな。そんな技、無駄。さあ、その秘技との関係もぶった切ってやる!縁符『切縁斬』!!」
「霊符『霊幻連打』」
「ハッ…!?」
---
「わたしが分身できるってこと、知らなかったのかしらぁ?ふふふ、熟練された幽霊は、分身ができるのよぉ」
「クソッ!なんで、あたしが負けるんだよっ!!うぅ、負けた。クソッ、どうしてそんなに強い!?」
「修行したからよ。さあ、異変を解決しなさい。さもないと、もう一度」
「やめろやめろっ!あんな痛いやつはもう嫌だ」
観念したように、彼女は言った。
「あたしは相関断。なあ、どうしてそんなに強い?」
「ふふっ、わたしのところに弟子入りしたら分かるかも知れないわね」
「…弟子入り、か。笑わせる。そんなの、入るしかないだろう」
「よく言えました。さあ、帰りましょう」
「…__うん__」
晴れやかな光が差し込み、断は言った。
「あたしは、学級委員だったんだ。一生懸命まとめようとしても、全然まとまらなかった。だから、死んだ。もう絶望したんだよ。気づいたら、関係を操る程度の能力を得ていた。だから、あたしは、関係を断ってやろうと目論んだ。…まあいいや。今日は弟子入りする、っていう収穫があった」
彼女の顔には、少しだけ、笑みの感情があらわれていた。