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部屋の窓を思い切り開け、外の空気をめいっぱい吸う。
心地の良い朝とは、まさにこの事を言うのだろう。
透き通るほど綺麗に晴れた青い空、朝から戯れる鳥たち、慌ただしく走っていく子ども達の楽しそうな声。
こんな当たり前で素敵な光景、誰もが今日が良い日になるだろうと口を揃えて言うはずだ。
めいっぱい吸った空気を吐きながら、僕の身体をもう一度ベッドが受け止めてくれる。
「良い日だ……。」
とうとう自分の口から無意識に呟いた。
それでも、胸の奥でざわつく気持ちを落ち着ける事は出来なかった。
重い頭を持ち上げるために腕に力を加え、ゆっくりと起き上がってみる。
目の前に広がる綺麗な空。風が木の葉を揺らす。
今日はこのまま空を見ていても良いんじゃないかって、少し自分勝手な事を考えて、すぐにやめた。
仕事がある。今日も恐らく仕事が。
本当に仕事が入っているかはまだ分からないが、まずは顔を洗って朝食を摂らないといけない。
なぜか震える足を誤魔化しながら、洗面台に向かう。
光が当たるとキラキラ光る冷たい水に額に晒し、フカフカのタオルで拭き取る。
今日の朝食は何にしようか、なんて事を考えていると、ガコッと何かが入る音がした。
何が入ったかなんて、もはや見に行くまでもない。
大きく息を吐きたい気持ちを抑えながら、リビングに向かう。
入れられたものを取りに行く前に、トースターに食パンをセットしてから、心地の良い柔らかい歌声の曲を流した。
丁寧に個包装されたマスクを手に取り、あくまでも自分を守るためにマスクを付ける。
そのままポストを確認すると、くすんだ色をした手紙が3通。
こんな良い天気の日にお仕事か、なんて気持ちが頭によぎる。
それと同時に、ホッとした気がしたのは恐らく気のせいだろう。
3通の手紙を手に取り、リビングのロッキングチェアに腰掛ける。
ギィと音を立てる様は、騒がしさのない部屋に不向きであった。
名前が丁寧に綴られた2通の手紙は、恐らく仕事の依頼だろう。
仕事の依頼、所詮掃除をするだけの仕事。
相手が満足するまで綺麗にする、面白味というものに縁のない不人気な仕事。
それでも、
「割と続けれるんだよなぁ……。」
実際、これまで誰の手も借りずにここまでやってこれた。
すぐ潰れても仕方がないと思っていたのに、良い意味でも期待を裏切ってくれた。
ロッキングチェアに身体を預け、何でもない天井を見上げる。
自分の腕で光を遮り、静かな歌に耳を傾ける。
その時、扉が開く音がした。
「いらっしゃい。」
中途半端な括り方で申し訳ない!!
いやぁ、そもそも書くのが久しぶりすぎて!
とりあえず、やっとプロローグ書けて良かった!
これが本編に関係あるかは分からない、ないかも。
まぁ続きも気が向いたら読んでみて下さい。
続き出るの1年後かもしれないけど。
お時間頂き、ありがとうございました。