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思わぬ不意打ち #4
主人公は岸部蒼汰(きしべそうた)。蒼汰の好きな人、根崎鈴(ねざきりん)。蒼汰と鈴の友達、中田悠真(なかたゆうま)。先日ぶつかってしまった先輩、指原華乃(さしはらかの)。蒼汰の双子の兄、真琴(まこと)と姉の美琴(みこと)。
いい感じに進んでるのでは…?
ー学校ー
門を通過して歩いていたら、後ろから根崎が声をかけてきた
「あ、蒼汰くん。昨日はごめんね。先生から伝言聞いた?」
「ああ、聞いたよ。元々体調悪かったって。それでコケたのに笑ってごめん。」
「全然平気!あそこで笑ってもらわないと、恥ずかしさで死ねた!」
笑いながら言う根崎を見て、少し安心した。だが、異変に気づいた。
「根崎、寒いのか?手がすっごい震えてるぞ?」
「え、あー、全然平気!少し寒いくらい、かな?あはは…」
見られたくないのか、手を後ろに隠した。それを見て放っとけず、自分の来ていたパーカーを脱いで根崎の目の前に差し出した。
「来ていいよ。俺ので申し訳ないけど。」
「え、いいよ。大丈夫!蒼汰くんが寒くなるよ!」
「着込んでるから平気だよ、ほら。」
パーカーをズイッと目の前に差し出した。大胆か?きもいか?後々になって後悔するパターンかも…
「…じゃあ、お言葉に甘えて借ります。」
俺が出していたパーカーに手を伸ばし、ブレザーの上から着た。うわっ…ブカブカで可愛い。これは貸してよかった。後悔なんかしないわ。
「蒼汰くん感謝です。洗って返すね。申し訳ない…」
「全然、そんなものでも良かったら使って。」
ー教室ー
「そーうーた!見たぞ!鈴が着てるパーカーお前のだろ!」
「そーなんだよ、そうなんだよ!
でもよくよく考えたら、あれは無理やり貸したんだよな?え、もしかして断りきれなくて?
「はぁー…」
「溜め息つくとね、幸せ逃げちゃうよ?」
「うわっ、根崎か。急に驚かすなよ。」
「人を化け物みたいに、もうとっくにHR終わってるけど?」
「あ、本当だ。気づかなかった。」
てか、まだパーカー着てるのか。可愛すぎな。
「悩んでることは全部吐き出しちゃえ。聞いてあげるよ。」
「じゃあ俺も。」
途中参加の中田も聞いてくれるらしい。ま、言わないけどな。俺が立ち上がろうとしたら、腕を根崎が掴んだ。
「信用できない?」
その上目遣い結構くる…なあ、もしかしてわざと?ねえ、わざと?
「そういう訳じゃないよ、俺の悩みはちょっと特殊なんだ。」
「そんなに特殊なものを一人で抱え込むのが間違ってる。」
「あのな、根崎。俺は大丈夫だよ?」
「無理なときほど…大丈夫って言って誤魔化すんだよ?」
「本当に大丈夫だよ、ありがとう。」
お人好しすぎるんだよ、根崎。一日中何回このやり取りを行ったか…嬉しいけど
今日は一日中根崎が心配してくれて嬉しかったDAY!君のことで悩んでるんだけどね?でも、パーカー姿の根崎可愛かったなー…もういっそ、ずっと貸していたい気持ちになった。ちょっと勇気を出せた一日だったな。
皆さんあけましておめでとうございます!今年も何とぞよろしくおねがいします!
新年早々投稿させてもらいました。それではまた~皆さん良いお年を!
※マインはラ◯ンだと思っていただければ幸いです。