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寒中
寒さの中で見出した、あの温かさ。
必死に手を伸ばしたが、その熱が消えていくのを指先で感じた。
どうか、どうか。命の灯火を絶やしたくないのです。
そう神に縋り、許しを乞いながら這った。
流れる血も、感覚の無い四肢も、流れ出た涙さえ滑稽に映る。
ああ! その熱が、その色が、その光が、私を生かすのだ!
熱に侵されたこの身は、もう寒さには耐えられない。
罪に触れ、汚れたこの魂を。誰が救おうとするのだろうか。
人としての生を投げ捨て、必死に音の鳴る方へと向かう。
パチパチと、小さな拍手喝采が私を呼んでいるのだ。
焚べる薪は既に灰へと姿を変えてしまった。
私には何も残っていない。
ならば、私がこの『熱』となろう。
生かした意味、生かされた意味が、この中に記されているはずなのだ。
それさえ、知ることが出来れば。
私は。この汚れた世から解放されるから。