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試しちゃいけない噂!? (1)
ここは誰もが生まれつき1種類だけ魔法が使える世界。魔法が使えるとはいっても9割の人は微妙な魔法しか使えない。
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「人が消える部屋?」
私は教室で、友達の|道籏 夢《みちばた ねね》と休み時間中、おしゃべりをしていた。
「そう!図書室の隣にある、使ったことのない小さな部屋があるでしょ?あそこの中に入って、ドアは閉めずに待機する。それで、4時44分44秒になった瞬間ドアを閉めるの!そうしたら、その部屋にいた人は1人残らず消えているっていう…!」
夢は興奮しているのか途中から段々と大きな声になっていっていた。
「え!!」
私は驚いて思わず声をあげる。
夢は更にワクワクした顔で
「だからさ!6時間目の授業、魔法講座が終わる時間は3時半でしょ?親には部活があるっていうことにして、試そうよ!!」
と言った。
夢は怖い話やこんな噂話が大好き。
私も怖いけどそういうのは気になるし…
「わかったよ。」
「やった!その噂を試した高等部1年生の先輩が、ほんとに消えちゃったんだって!」
…この噂、ほんとに試して大丈夫なのかな…?
「…それでは、魔法講座の授業を終わります。」
6時間目がやっと終わり、後は帰るだけなんだけど、今日は噂を試さなきゃ。
帰りの会も終えて、みんながゾロゾロと1年C組の教室を出ていく。
「じゃあ、行こっか!」
夢が私の肩をポンと叩き、私達は今いる2階から、その部屋がある4階を目指す。
「でも、そこ部屋って噂になってるんでしょ?先生とかいないのかなぁ…」
そう夢に話していると
「あっ!|日乃出《ひので》!」
後ろから私を呼ぶ声がした。この声は…
「|日乃芽《ひのめ》!」
後ろを振り向くと、やっぱり!私の双子の妹である、|朝雛《あさひな》 日乃芽が立っていた。
その横には日乃芽の1番の友達である、|芽組 ことり《めぐみ ことり》もいた。
「先生がいないのかとか、何の話をしてるの?」
日乃芽が私にきいてくる。
「__夢、この噂話って、2人に話していい?__」
私が小声で夢にきくと、夢はさらっと、
「いいよ!というか私が話すから!」
と言った。
「えっとね、最近この学園で流行ってる噂話で〜…」
「…へぇ!そんな噂あったんだ!」
日乃芽が楽しそうに言う。
「私達も混ぜてよー!」
そう言った日乃芽にことりが
「えっ…!?」
と言う。ことりは怖い話が苦手。人が消えると聞いて怖くなったのだろう。
「だいじょーぶ!そんなに怖がらなくてもただの噂話だよ!もちろん!一緒に行こ!」
私達は4人で噂の部屋へ向かった。
4階に着いて、曲がり角を曲がると、図書室と噂の部屋がみえた。その部屋のドアは閉まっている。
どうやら先生はいないみたいだけど…
「もしかしたら先生が中にいるかもだから、気をつけよ!」
そんな私の考えを読んだかのように、日乃芽が言う。
「どうする?ことりの魔法…使う?」
ことりがそう言う。
ことりが使える魔法は、1日2回、5秒だけ時を止めることのできる魔法。特定の人や物だけ時を止めないことも可能だ。
「うーん、バッとドアを開けて、先生がもしいてもちょっと怒られるだけだろうし、使わなくてもいーんじゃない?」
私はそう言った。
「じゃあ…」
噂の部屋の目の前まで着く。人の気配は感じないけど…
「「「「せーのっ!」」」」
4人で一緒にドアノブを回し、勢いよくドアを開ける。
**ガチャッッ…**
私は中をみる。電気はついておらず、薄暗い。中には誰もいないようだ。
「誰もいないみたいだねー。」
私はほっとして、そう言う。
中に入ってあかりをつける。
夢が自分の腕時計をサッとみて、
「今はまだ3時52分。というかどこかで時間潰してからきた方がよかったかも?」
と言う。
「た、確かに…」
「まあ、みんなでこっそり喋ってたらすぐ4時44分になるよ!」
あんまり騒ぐと図書室の先生にバレるかもしれないからと、私達はヒソヒソ声で話しはじめた…
しばらくして。
「4時40分。そろそろ準備をはじめるよー!」
夢が声をかける。
「まず、この部屋のカーテンを全部閉めて、あかりも消して真っ暗にする!」
私達はそれぞれ分担して、カーテンを閉め、あかりも消す。
辺りは真っ暗で、ほとんど何も見えない。
「みんな、いる?」
ことりが怖くなったのか、そう尋ねる。
「いるよ!」
「うん!」
「多分全員いるよー!」
どうやらみんないるみたい。
突然パッと私のまわりが明るくなる。
夢が腕時計にあるライトをつけたみたいだ。
「よし、4時44分0秒!ドアをそろそろあけるよ!」
腕時計のライトをたよりに、私はドアを開ける。
部屋はまた明るくなった。
「10、11、12…」
夢が数え始める。
「39、40、41、42、43…!」
私はドアノブに手をかける。
「44!!」
**バタンッ**
また辺りが真っ暗になり、何も見えなくなる。
「………」
無言の状態がしばらく続き、おそらくことりが
「み、みんなっ…いる…よね?」
その声は震えている。
「いるよ!」
「大丈夫!」
「私はいるよ!」
あわせて4人の声。みんないる。
「じゃあ、ドア、開けるよ…!」
**ガチャッ…**
光が部屋の中に差し込む。
眩しくて目を細める。
しばらくして、目を開けると…
「「「「……え??」」」」
みんなの驚いたような、間抜けな声が同時に聞こえる。
目の前には、学校のような建物がみえる。
私達の通う私立ネリネ中学高等学校じゃない。というか学校から外にも出てないし…
訳がわからず後ろを振り返ると、後ろには部屋なんてないし、私が握っていたドアノブもいつのまにか消えている。
意味がわからず、みんな辺りをきょろきょろと見渡す。
みんな何も話さないが、戸惑っていることはみんなの表情と空気でわかる。
私達の知らない場所。
1話なので、通常の2倍ほどの長さになりました!