公開中
星座穴が開く時
霊夢「…なんかひま」
私は霊夢。博麗の巫女である。
今日はいつになくひまだった。どこからか吹いてくるあくびが出てくるほど平和なかぜ、という表現が似合いそうなあったかい風が心地よい。
霊夢「ふわぁぁ…」
…本当にあくびが出た。
霊夢「紅魔館にでも行こうかしら」
なんで普段そこまで行きたくもない紅魔館に立ち寄ろうとしたかは謎だ。
霊夢「本当に最近はいいわ。異変もそこまで起きない」
魔理沙「そうだな。だがひますぎるのは良くない」
霊夢「何よ。そう言ってフラグ回収したりして…」
魔理沙「そういうセリフこそフラグを立ててしまってると思うが…」
偶々魔理沙にあっておしゃべり中。
魔理沙「よし、紅魔館に行くか」
霊夢「え?魔理沙も紅魔館目当てだったの…」
魔理沙「その通りなんだぜ!じゃあおさきにー」
霊夢「…その勝負…受けてたった!」
まさかこの先、本当にフラグを回収するとは思いもしなかった。
私が飛んで紅魔館に行くと…
霊夢「は?」
息を呑んだ。状況が理解しきれない。
魔理沙も呆然としている。
なぜなら…目の前で紅魔館が異空間にすいこまれてるからだ!
魔理沙「お、おい、どう言った状況だよ!!」
霊夢「そうだ!紅魔館に住んでる奴らは!?咲夜とか…」
魔理沙「…遅いぜ…咲夜とレミリアらしき手が異空間から伸びてる」
霊夢「ふたりともー!返事をし…」
言い切る前に異空間は閉じてしまった。小悪魔や美鈴やフランやパチュリーがどうなったかは知るよしもない。
霊夢「だ、誰か残ってれば…」
チラチラ泳がせた目がとあるところで止まる。
フランだ!フランが倒れている…意識がないようだが…。魔理沙も気づいたらしい。
魔理沙「おーい!フラン、無事かー!」
フラン「う…」
霊夢「でもフランか…証言してくれるといいけど…」
フラン「ん…あ!」
魔理沙「お!目が覚めたか!私が誰かわかるよな?」
フラン「魔理沙でしょ、簡単すぎる」
魔理沙「おー、よかった。んで、この状況を説明できるか?」
フラン「この状況って…?」
フランは紅魔館があった方を見て絶叫した。
フラン「えーーーーーっ!???」
霊夢「すいこまれ…なかったの?」
フラン「なんか…強い揺れが襲って、紅魔館が沈んでく感じがしたわ。どんどんメキメキって…紅魔館が壊れそうな音もした。私は脱出しようと思ったけど…私もずぶずぶ沈んでく気がして…力がはいらなかった。もうおしまい?と思った時よ。誰かわからないけど誰か助けてくれたの…そこからは覚えてない」
霊夢「一体誰が…それよりここにいると危ないわ。神社に行きましょう」
???「……」
そんな彼女達を1人の道化師がニコニコして見つめていた……。