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朝起きたら角が生えて鬼人になっていた件
きのこ
朝食を食べおわって、歯磨きしながら髪をといていた。今日は、カモメ学園の高等部に入る日だ。いつもよりきれいにピンを髪につけようと思った、その時、「コツン」と音がして、ピンの先のほうを見つめてみた。その時、「角」が、生えていた。本来、鬼とかに生えるはずの、「角」が。
翠「え…。うそ。」
母「どしたん?」
翠「いや、なんか、頭に角が生えているんだけど…」
母「は?」
母「はぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!????」
---そうして、何物でもなかった私の、高校生活は、波乱の道に進もうとしています。
2話
は~い、朝から、クッソ気分が落ち込んでいる私でぇす。はあぁぁぁぁ。溜息しかでねぇよぉぉ…角は一応髪でかくしたけどさぁ。
「はぁ」
輝「どうしたの?緑矢さん」
翠「え?あっ、いや何でもないです…。」
えー。なんか明らか陽キャで、モテモテ男が話しかけてきたぁ。めっちゃ怖い視線で見てくるし。まぁ、流石に「朝起きたら角生えててー」とは言えんな。ん?
モブ「何あいつ。」
モブ「緑矢翠だってさ」
モブ「むかつくー。」
3話
ふぅ、なんとか1日目を終えた…。
輝「ねぇ、緑矢さん、今日の放課後、ちょっと、屋上に来てもらっていいかな?」
翠「は、はい。わかりました。」
やばい。ばれたかな?私の人生もう終わり?
輝「……緑矢さん。間違っていたらごめん、君は、始祖鬼と契約してるね?」
え?始祖鬼、ってなに?いやそもそも、契約した覚えはないけども?うーん。まぁ正直に話したほうがいいかな…?。
翠「は、はい。朝起きたら角生えてて、その、おかしい話とは分かってるんですけど、ほら、このとおり。」
静かに、髪ゴムをはずす。もう、後戻りはできないや。
輝「なるほど。やっぱり君は、緑矢家の人間なんだね。」
…ん?緑矢家?知らん。知らないよ、そんな家。えっ。でも、母さん、そんな凄そうな家の出身じゃないしー。うーん。
翠「あの、緑矢家とか、始祖鬼ってなんですか?」
輝「あぁ、説明すると、始祖鬼は、桃太郎とかに出てくる鬼の、祖先の鬼だ。具体的に言うと、桃太郎に成敗された後、鬼たちは、人間に力を貸すことを桃太郎達と人間に誓った。そこから、代々、火、水、風、雷、氷、岩、木の鬼たちが、代々緑矢家の人間に力を貸しているんだ。
でも、ひとつだけ特別な場合がある。それは、ある重大な被害が想定される場合に、すべての鬼が合体し、始祖鬼の状態になるんだ。」
翠「へぇー。じゃあ、なんで、憑依するのが、緑矢家なんですか?」
輝「簡単な話。体が強いからだよ。普通の人だったら少し力を使ったくらいで、すぐ倒れるところをを、緑矢家初代当主は、すべての力を使えた、と言われている。」
翠「?力?」
輝「鬼の力を使えるんだよ。」
わからないことばかりだ。確かに私は、養子だし、本当の親は、早死にした。可能性がないとは言えない。
輝「じゃあ、一回力を使ってもらってもいいかな?例えば、水とか。」
翠「えっ、でも使い方わかんn」
輝「まぁやってみてよ。」
翠「うー。…はぁ、」
水出ろぉぉぉぉぉぉ!!!出ないと恥ずかしいから!
コポコポコポ
水、出来たぁぁぁぁあ!マジでできたぁ!魔法かよっていうくらいだよ!!
翠「おぉぉ。」
輝「ふっ。ふふ。」
翠「なんで笑うんですか!」
輝「いや、感情が表に出てて、うふふふ。」
本性表しやがったなこの謎陽キャイケメンめ!
4話
3日目の朝、とってもきもちのわるい朝だ。あぁぁぁぁ、あの謎陽キャイケメンに会うからだ。なんで放課後よびだされるんだよ。ドアを開けるのがつらい!
輝「おはよう。」
翠「お、おはようございます…」
めんどくさっ。笑顔が怖い!怖いよ!その目が逆に怖い!昨日もクラスの女子からそんな視線受けたって!
まぁ、でもあいつ、顔「だけ」は良いんだよなぁ。生徒会長だし。
毎日靴箱にラブレター入っていたり、毎日放課後呼び出されたりするんだろうか。(フラグ)
輝「ねぇ、緑矢さん。今日の放課後ちょっと手伝いと話を聞いてもらっても?」
それは、つまり、心の中の言葉に翻訳すると、
「おい、今日の放課後手伝えよ。拒否権はない。あるわけがない。話もするからな。無視でもしたら命はない。」
と言われているのと同じなのでは!?(そんなことはない)
う~ん。どうしよっかな~?正直断りたいところだが、断ったら周りに恨まれて怨恨で殺されそう。
でもなぁ~。いやなもんは嫌だしぃ~。う~ん。よし!断ったら何かといろいろ面倒だからさっさと終わらせちゃおう!
翠「まぁ、いいでしょう…。」
輝「…ふっ(笑)」
何!?なになになになになになに!!!!???怖い!何か間違えた!
5話
翠「何ですか?要件は」
輝「まるでさっさと終わらせてほしいような物言いだね。」
翠「はい。さっさと終わらせてほしいです。」
輝「素直だね。でも、残念ながらすぐに終わるのは難しいね。」
翠「…えっ…?」
輝「じゃあ、早速。君、生徒会に入らないかい?」
翠「えっ。幻聴????」
輝「幻聴じゃないよ。本当に言っているんだ。生徒会は、まぁ、大変な仕事だけど、君に不利益は与えないよ?」
翠えーーーーー。いやだー。ふつうにやだーー。
翠「…具体的に何をするんですか?」
輝「うーんとねぇ、君は戦闘向きだから、戦闘要員かな?裏の。」
翠「ふざけているんですか????」
輝「ふざけてないよ。むしろ真剣だ。」
翠「真剣な人は『戦闘要員かな?』とか言わないんですよ。」
輝「そうかな?じゃあ、説明するね。君は放課後の、怪異や霊を倒してもらう役割だ。僕と同じだね。」
翠(話ぶった切りやがった…)
輝「じゃあ、早速始めようか。」
翠「えっ。今からですか?」
輝「今からだよ。」