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1 私たちは六つ子
1 私達は六つ子!?
ずっと、世界で一番大好きなお母さんだと思ってた
私の話をいつも笑顔で聞いてくれて、美味しいご飯を作ってくれて
だから、たった一週間前に言われたあの言葉が、今でも耳から離れない
「ひまり。ごめんね……私たちは本物の親子じゃないの。私はあなたの里親なのよ」
頭を強く殴られたみたいだった
じゃあ、私は誰なの? 私の本当の家族はどこにいるの?
悲しい どん底の海に落とされえたみたいな気持ちだった
「・・・お母さんなんて知らないっ!なんでだまってたのっ」
あまりの悲しさと共に私は逃げ出してしまった
外へ外へ
謝らなきゃいけない でも足が止まらなくて
どんどんスピードを増していく
「あ・・・・・」
立ち止まったところは川が近くにある普通の場所だった
「・・・っ」
誰なの 里親さんは
誰なの 本当のお母さんは
ひまわりのように育ててくれた
なのに・・偽物だって言うの・・・?
そう思ったらお母さん・・ううん里親さんが来た
「ごめんね・・でも、言わなきゃダメなの」
「・・お母さんごめん」
謝れた
私にとっては里親さんじゃない
大切なお母さん
それは分かってたから
気持ちが落ち着いたと同時に里親さんは爆発発言をしてきた
「ひまりにはね・・血がつながってる兄弟 **六つ子**がいるの」
「へ?」
え、は、待って・・待って・・
あわわわわ待って・・!状況が追い付かないよぉぉォォォォ!?
里親って言われて沈んだのに 血が繋がってる・・5人の兄弟がいる・・・
私はお母さんから貰ったメモを頼りに 住所の所へ向かった
「ここ・・かなぁ」
嫌な人だったらどうしよう・・
好きな話で盛り上がれるかな 仲良く出来るかな
ドアの前で深呼吸をして私はドアを開けた
すると・・リビングらしき所へ出た・・・
「あ」
思わず声を出した
それは・・・女子2人男子3人 私意の5人の兄弟が居たからだ
女の子同士すっごく見分けがつかないぐらい似ている
男の子も顔がすっごく似てる
多分私と同じ顔でかたまってる
そう思ってると誰かが来た
「こんにちは 私の名前は美月 あなた達の生活をサポートする人です」
「あ、でも サポートって言っても 月々のお金とかを出すだけですね」
「生活は自分たちでしてください 後~あなた達は 六つ子です」
しばらく固まってた
そして話したのが・・きっちりとした女の子だった
「あの ありえないと思うんですが!六つ子なんてそもそも」
「あなたは・・結菜さん ですか」
「まぁご安心を 証拠ならその顔」
顔・・さっきみたよなぁ・・・・
やっぱり似てる・・・・
「後 質問は」
「・・ないね よしじゃあよい旅を!旅じゃないか・・よい生活を!」
「あ、詳しいことはその紙に書いてあるからねぇ」
そう言って美月さんは部屋から出て行ってしまった
家族・・・
そう思って固まってると
「はい 注目!」
女の子が喋った
さっき質問してた子だね
「せっかくだから自己紹介しない?」
彼女の相談にみんなが頷いた
「はい!まず私 名前は結菜です 里親さんの所で暮らしてました 好きな色は赤!
小6です」
次は 無口そうな男の子
「俺の名前は連 里親の所で暮らしてた 好きな色は青 小6」
次は・・・私だ!?
「えっと・・・私の名前は日葵です 里親さんの所で暮らしていて好きな色は黄色です!!」
う、うまく言えたかなぁ・・・
次はゆるそうな男の子
「えっと~僕~? 僕の名前は奏太~ 孤児院だったよぉ 好きな色は緑~」
次は・・元気そうだね
「俺の名前は 律! 里親さんの所で育って好きな色は紫だ!よろしくな」
次は・・落ち着いてる子一番静かそうだね
「ぁ・・あの・・私 紬・・です 孤児院で好きな色は・・ピンク・・です」
一通り終わった後も結菜さんが締めてくれた
「よーし!そういえば、紙見てなかったね 見ようか!」
「「「「「賛成」」」」」
見事にはまった5つ音
えっと・・あ、長女とか書いてある
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長女 結菜(ゆいな)
次男 連(れん)
三女 日葵(ひまり)
四男 奏太(かなた)
五男 律(りつ)
六女 紬(つむぎ)
性格表(里親さん・孤児院先生による)
結菜 正義感が強いお姉さん 根拠がある 優しい所もある
連 無口で不愛想だけど優しい所がある 頭脳派
日葵 ひまわりのように元気で優しいムードメーカー
奏太 ふんわりしていて優しくおっとりしてる
律 負けず嫌いでお調子者
紬 静かでほぼ喋らない
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プロフィールみたいな感じかな
お母さんそんなこと思っててくれたんだ・・・
ひまわりのように元気・・
話に参加しなきゃ
「あの!自分の部屋・・決めませんかっ?」
言えた
そう この家は自分の部屋が1つずつあるのだ 1階に三部屋 2階に3部屋
それ以外はトイレやお風呂洗面 キッチンにリビング そして休憩場所
そんな部屋がある
「いいね じゃあ決めるわよ」
「「「「「はい!」」」」
そして部屋決めが始まった
「うーん・・・・」
悩むなぁ 日当たりがいい所がいいなぁ あ、こことか
「あの!ここでいいですかっ?」
「いいわよ!」
そのまま順調に決まった 結果は女子2階 男子1階だ
「・・・オッケーだ」
満足したように連君が言う
「じゃあ・・・明日の用意ね」
明日は始業式
学校を転校する私たち
だから余計に緊張する
「ぁの・・・」
「紬?どうしたの」
結菜ちゃんがすぐ聞く
「ぁの・・私たち・・6つ子・・って・・こと・・・ばれたら・・・だめ・・らしい・・です」
え
「「「「「え」」」」」
え?だよ
ってことは・・・学校・・
まぁ頑張るかぁぁ☆
「じゃあ、髪型だけでも変えなきゃね・・」
「賛成だ」
連君が鋭く言う
「わ、私も賛成!」
送れて私も言う
「僕もさーんせーい」
「俺も賛成だ!」
「さ、賛成・・です」
妹・弟たちも言う
「私はポニーテールがいいかしら」
結菜ちゃんはポニーテール
結ぶとさらにお姉さんらしさアップ
とってもしっかりものの長女っぽい
「じゃあ俺は・・」
連君はかちかちにかためてる
さらにクールになったかな
「じゃ、じゃあ私はツインテールで!」
2つで結べる可愛いツインテールに!
どうなのかな・・元気らしさが出た・・・かな
「僕はフワフワ~~」
奏太君はふわふわにした
ゆるふわ系男子としてもてそうだな
「俺は・・・普通で」
普通とか言いながら寝癖がある可愛い感じかな
「・・・なんでも・・いいです」
つ。紬ちゃん!
何でもいいんだよ
遠慮なく言ってほしいな・・・
「うーん・・じゃあ三つ編みとかどうかしら」
「・・・じゃあ・・それ・・で」
三つ編み・・・!
紬ちゃん絶対似合うよ!
そう思いながら 明日の準備や髪型などを決めて・・・・
「「「「「「よし 準備満タン」」」」」」
準備満タン!6音がはもった!
ってことでおやすみ
2 初めての学校で
次の日 私達は地図を頼りに学校へ向かった
もちろん六つ子ってことばれたらダメなので通学時間は早め
そして学校に着いた
「クラス分け表よ」
結菜ちゃんがそう言ってわたしたちは見てみた
1組 結菜
2組 連
3組 日葵
4組 奏太
5組 律
6組 紬
おっと みんな違うクラスだ
同じじゃなくて良かったぁ・・・
じゃなくて・・・早く行かなきゃ目立っちゃう!
私達は一斉に分かれた
「うーん・・」
3組に入って席について・・・
そこから・・
何もない
6年生ってこともあってグループやまとまりが出来てるんだよね
そう思いながら何気なく空を見上げていた
すると
「ねぇ」
いきなり声をかけられてドキッってした
その方向を見上げると優しそうな男の子がこちらを向いていた
「あ、ぇ・・・・」
私はパニック
「もしかして転校生?あ、俺 隣の席の野崎悠翔(のざきはると)よろしくね」
なんだか優しそうな見た目
心が大きく鳴り響く
「よ、よろしくね!」
ドキドキするなぁ
男の子と関わる時こんなに心臓跳ねてたっけ・・・
彼にまた微笑められて
私も優しく微笑み返した
なんだか初めてなのにすっごく安心する気がする・・・
そして始業式が終わって
帰り道
私は急いで目的地へ走った
人通りがない場所
私達6つ子はそこで集合することになったのだ
「結菜ちゃん 連くん 奏太くん 律くん 紬ちゃーん!」
ばれたらだめ
だから秘密の通学になっている
他の人達が下校してるときは話すことにしたのだ
「今日ね悠真君っていう男の子と会ったの それで、編未ちゃんって子にも会って~~」
「あ、悠真くんは真面目で優しい子なの~」
「俺は・・美咲っていう子に会った」
「もしかして恋!?」
結菜ちゃんが冗談で言った
「なっ・・・・なわけないだろ 誰でも喋れるムードメーカーで明るい奴だった」
なんか・・初恋してるように・・見えるっちゃ見える・・
「日葵は?」
「わ、私・・・は」
悠翔くんに会ったんだよね・・・
「は、悠翔くんと出会って・・その・・優しかったよ」
「僕は琴音ちゃんっていう 面倒見がよさそうな子に会ったよ~~」
「俺は詩織って言う 負けず嫌いっぽいライバルな女の子に会ったんだぁ!」
「わ、私・・は・・・伊月さんに会いました と、とても話聞き上手・・でした・・」
「みんな友達見つけられてよかったわね じゃ 帰るわよ」
「「「「「はーい」」」」」
私達は並んで帰った
でも気になることがある
紬ちゃんが 他の人・・・特に家族連れの人を睨んでる気がしたんだ
それに連君もなんかそう見えるな・・・・
そう思いながら私達6つ子は家に帰った
「「「「「「ただいま~」」」」」」
重なる6つの声
フフッ なんだか面白い
6人ってワイワイするよね 里親さんのころは一人っ子だったし
里親さん仕事で忙しいから入学式に来なかったり 夜遅くまで帰ってこなかったから
ほぼ家では1人だったんだよね
だからこのワイワイはすっごく新鮮
「フフッ!」
思わず笑みが浮かぶ
「どうしたの?」
結菜ちゃんに言われて私はㇵッとして顔を戻した
「ううん 何でもないよ! おやつ食べようよ!何がある?」
私は切り替えて奏太くんに話しかける
「うーん買ってないよぉ~誰か買ったぁ?」
「「「「「ううん」」」」」
みんな同時に喋った
「ちょっと!お皿洗いしてないわね」
結菜ちゃんが言った
「昨日も私だったんだけど」
あわわ・・喧嘩になっちゃう?
でも 大人に助けられてたんだって実感できるな・・・
当番とか作った方がいいのかな
「じゃあ当番作ればよくね?俺って天才」
私とおんなじ考えを持ってたのは律くん
律君が言ってくれた
「わ、私もっ!」
私も言った
お姉ちゃんたちは一瞬目を丸くしたけど
優しそうに微笑んでそう言った
「そうね 分かったわ」
連君も目をそらしながら
「確かに」
と言った
「じゃあ決めようかぁ~~」
奏太君がのんびりと言って私達は頷いた
「紬はいい?」
結菜ちゃんに聞かれて
ビクッとした後小さく頷いた
「よし じゃあさっそく決めるぜ!誰か、紙を持ってきてくれ!」
「ちょっとなんであんたが仕切るのよ」
そう言ったのは律君と結菜ちゃん
「じゃあ俺 紙あるから持ってくる」
連君が言った
「わ、分かった!」
私も言う
「おっけ~~」
奏太君も言う
紬ちゃんも・・言わない・・
紬ちゃんって・・・静かな子だなぁ
「持って来たぜ」
連君が言う
「「「「「ありがとう」」」」」
私たちが言う
「で、何をするんだよ長女」
「ちょっと!重要な所だけ私に押し付けて!」
「まぁまぁ長女なんだからな?」
お姉ちゃん長女とお兄ちゃん長男は喧嘩をしがち
まぁ仲良しなのかな
あるじゃん・・なんか・・喧嘩するほど仲がいい
「もう じゃあ 当番決めるわよ 私は・・リビングとお皿洗いで」
「じゃあ俺 廊下・階段の掃除」
「わ、私・・・は・・・ ご飯作る係・・かな」
「僕は~洗濯とお風呂掃除かなぁ~~」
「俺 無しがいい」
「バカ言わないの」
結菜ちゃんが呆れたように言う
「えぇ じゃあ・・玄関と2階廊下」
「次は紬ね」
「えと・・・私・・は ぇ・・・じゃあ・・外で・・・」
「うん じゃあ決まりね」
「自分の部屋は~?」
「別に自己管理だろ」
連君が言う
「ごみ捨てはどうなんだよ」
「1週間当番制でいいね」
「買い物は?」
私が聞く
「姉組3人 妹組3人で分かれましょう」
そして決まった当番
うれしくてはねあがりそう!
4 紬ちゃん
私達の末っ子 紬は 何も喋らない
「紬」
「紬」
「紬ちゃん」
姉も妹も話してるけど・・・
何でかな・・・
心がひらけないの?
ある日 4人がお出かけへ行く日
紬ちゃんと私がお留守番することに
「つ、紬ちゃん・・なにする?」
「・・・・何もしません」
うぅ やっぱりそうだよね・・・
何か心を開いてくれるきっかけがあるといいけど・・・
「ねぇ 紬ちゃん・心を開いてくれると・・嬉しいな」
ゆっくりでいいんだよ
私は責めないように慎重に聞いた
「・・・別に あなたには・・関係ないです」
「か、関係あるよっ!」
「・・・・なぜですか」
やば・・ちょっと力強い感じで言っちゃったかな・・・
でも・・関係ある理由は1つしかない
「私達は 家族だから」
「・・・なんですか その理由 そんなの関係ないです」
「あ、あるの!私たちにとっても・・紬ちゃんにとってもっ!」
「・・・・分かりませんね あなたの心」
「え」
「人は裏切るんです 例え信用してた人でも すぐ居なくなる」
「・・それは違う」
「・・・話が分かりません」
「私たちは裏切らない だって・・血が繋がった姉妹だから」
「結菜ちゃんも連君も私も 奏太君も律君も・・大切に思ってる」
「だからっ **人は裏切るんですっ!**」
聞いたことない 紬ちゃんの大声
悲鳴にも聞こえた
泣きそうで・・怒りも感じられて
「すみ・・ません」
「大丈夫だよ だって大切な末っ子だから」
「・・・・ホントに・・すみま・・せんっ」
「・・・・帰ります」
紬ちゃんは自分の部屋に帰っちゃった
でも・・少しでも分かってくれたかな・・・
私も分かった
紬ちゃんには・・つらい過去がある
『人は裏切るんですっ』
あの時の紬ちゃん 辛そうだった
里親さんや施設の先生に大切にされなかったから・・なのかな
「ただいま~~」
「今帰った」
「ただいまぁ~」
「よっしゃ~!遊ぶぞ~~」
「お、おかえり みんな」
お姉ちゃんたちが帰ってきた
「よーし 夜ごはんの準備だ!」
気合を入れたように結菜ちゃんがそう言って台所へ行った
「・・私部屋で待ってるね」
そう言って私は部屋へ行った
家族って何だろう
居場所がある 特別な場所
温かい場所
なんで紬ちゃんは・・笑顔になってくれないの・・・?
「紬ちゃん」
紬ちゃんの部屋に向かって 喋りかけた
「出なくてもいいよ でも聞いてほしいの」
聞いてないかもしれない・・でも伝えたい
「家族って 居なくならないと思うの」
「家族って 特別な場所なんだよ」
「優しいお姉ちゃん 勉強が得意でクールなお兄ちゃん
ふわふわ優しい奏太君 おちゃめで生意気で元気な律君
元気でひまわりのような私」
「ねぇ 紬ちゃんは?」
そう言うと 返事が返ってきた
「私は 無能 ダメな人材・・です」
「紬ちゃんは静かだけど 裁縫や図工が得意 周りを気遣えて優しい」
「私は 紬ちゃんそんな子だと思うの」
「・・・そんなの勝手にしてください 内心は分かりませんから」
「ネガティブなだけじゃ世界は広げられない」
「ねぇ 紬ちゃんも飛び出してみない?」
私だって・・施設でいじめられて 嫌なことは押し付けられて
里親さんの所へ行くまでは心が不安定だったよ
紬ちゃんの里親さんの所は・・施設はそうなってたか分からないけど
ここは安心出来るんだよ
家だから 家族だから
「安心してほしいの」
「・・・ホントにわからない人」
紬ちゃんの声はかすかに震えてた
「そうだね 分からないかもしれない」
そう言って私は部屋に戻った
「あ、夜ご飯私作る~!」
私はそう言って作った
5 私の思い 伝えたい
「「「「「いただきます!」」」」」
「うーん・・紬はどうしたのよ」
結菜ちゃんが言う
「まぁ運べばいいだろ」
連君が言う
「あのっ だったら・・私が運ぶよ」
「ありがとぉ~」
カレー・・美味しいよ
「先届けてくるね」
「分かったわ」
紬ちゃん 温かさ届いてほしいな
「紬ちゃん」
「はい何でしょうか」
「夜ご飯」
「開けたので入ってきてください」
え
それって・・心許してくれたの?
「うん!入るね」
入ると当たり前だけど・・紬ちゃんが居た
「はい!美味しいよ」
「ありがとうございます」
「一緒に食べない?」
「・・・いいんですか」
「うん」
「・・・私 全部は言えませんけど」
「どうしたの ゆっくりでいいんだよ」
「・・・・里親さん嫌いです」
「え な、なんで・・・」
「それは言えません 後」
「**私は家族じゃないです あなたたちは5つ子です**」
「なん・・で」
「別に血は繋がっていますよ」
何でなの・・
「あなた達 嫌いではないんです ただ きっと」
「あなた達も裏切ると思うんです」
「裏切ら・・・ないっ!裏切らないよ!」
「信じれなくてもいいよ!でもっ・・・紬ちゃんは・・少なくとも私の・・妹っ」
「妹・・ですか」
「辛いかもしれない・・今は家族だって思えなくてもいい だからゆっくり・・」
「家族って思ってね」
「・・・でも・・無理ですっ」
「そうだよね・・おはようって言いたい 一緒にご飯食べたい」
「家族になれるその時まで 命が来る時まで ずっと待つよ」
「・・・・ありがとうございます・・・・でも」
「心の傷は 治らない・・です」
「・・・そっか・・じゃあね お話してくれてありがとう!嬉しかったよ」
「ありがとう」
「はい ・・・こちらこそ ・・・・・・・ありがとうございます」
紬ちゃんのかすれるような小さな声
でも私は聞き逃さなかった
私は扉を開けた
「結菜ちゃん はい お皿 食べてくれたよ 紬ちゃん」
「そっか 良かった」
次の日の学校
「「「「「「行ってきます」」」」」」
重なる6つ
紬ちゃんも『行ってきます』
って言ってくれた
そして学校に付いた
「「「「「バイバーイ」」」」」
私達は早口で別れた
どうしてって?正体がばれたらダメだから・・だよ
教室について席に座った
「あ、日葵ちゃん!おはよっ」
「お、おはよう は、悠翔くんっ」
クラスメイトの悠翔くんが声をかけてきた
うぅ・・なんだかドキドキするよ・・・
「今日は裁縫だね」
「そ、そうだね!」
裁縫・・紬ちゃん上手だろうな
「そういえば 6組の彩香和(さやかわ)さんが上手で賞とったらしいよ」
「彩香和さん?」
「あれ?知らない?6年6組 彩香和紬さん」
「あ」
紬って・・紬ちゃんか!
もちろん苗字は全員違う
沿道結菜
野河連
十六夜日葵
雲崎奏太
幹川律
彩香和紬
「もしかして知ってる?」
悠翔くんに聞かれてハッとした
「なんか、日葵ちゃんに似てるんだよね 彩香和さん」
「へ!?し、知らないよ!」
ば、バレたらダメなのに・・!
「に、似てるかな 世の中似てる人っているんだね!?」
「ふふ そうだね 似てるけど違う人・・いるよね」
よ、良かった・・
悠翔くん結構単純なのかも
まぁそれで助かったけど・・
気をつけなきゃ
「あ、授業始まるね またね 日葵ちゃん」
「ま、またね!」
うーん・・もう少し始まるのが遅ければよかったのに・・・
そうすればもっと話せたのに
そうして授業が終わった
「さようなら~」
「お待たせ!みんな!」
「待ったわよ」
「そうか?」
「結構待ったんじゃなぁい?」
「お前はのんびりだからいいんだ!」
「・・・・日葵さん 待ちましたよ」
あ
紬ちゃん・・!
喋ってくれた・・!
「じゃ人も居なくなったし帰りましょうか」
「「「「「はーい」」」」」
嬉しいな 嬉しいな
ツインテールが揺れて 嬉しさが伝わっちゃうかも!
6 悠翔君に勇気をもらって
「ただいま~」
ピコン
「あ、ラインだ」
誰からだろう・・
:悠翔:
は、悠翔君からだっ
『ねぇ日葵ちゃん』
『どうしたの悠翔君っ』
文字の中だからドキドキしないように書けるけど・・・
現実はドキドキしまくりだよぅ・・・
『なんか授業中 考えてたよね』
『そうかな?』
紬ちゃんのことだ・・・
『教えてくれると嬉しいな』
なんか・・教えられる気がする 悠翔君には
『実は妹の野花ちゃんと仲良くなれなくて』
あ、野花は偽名ね 紬ちゃんのこと
やっぱりバレないためには 念には念を入れよ だね
念を入れるんだ
『仲良く?姉妹なのに?』
『昔からなの』
『そうなんだね』
『どうすれば仲良くなれるかな』
気づけば相談をしてた
ドキドキなんて関係ない・・バレるなんて関係ない
悠翔君と話したい 紬ちゃんのこと相談したい
『うーん・・話を聞くのみ じゃないかな』
『だよね~』
やっぱりそうだよね・・・
紬ちゃんのことじゃなくてほかのこと話したいな~
ってじゃなくてっ 今は紬ちゃんのこと相談してるんだからっ
『でも 勇気必要だよね』
『そう!そうなの』
『大丈夫だよ ゆっくりでいいんだよ』
『きっと日葵ちゃんなら出来るよ』
ゆっくりでいいんだよ・・・
紬ちゃんにかけた言葉と同じだ
それに・・すっごくドキドキする・・友達なのに・・
この感情は・・なんなの?
『ありがとう』
『話すのまたしようね』
また話したいな
『うん!もちろん』
もちろん・・だって
嬉しい!
姉妹・・紬ちゃんが話してくれた時のドキドキや安心 嬉しいと違う・・
ドキドキしてなんだろう・・説明できないけど
苦しいけど隣がいい・・なんだろうね
もう!この話はおしまいっ!
もっとドキドキしちゃう
「それより紬ちゃん!」
そう言ってこの小さな心の話題はお終いにした
夜・・でいいかな
「ご飯作りに行こう!」
私は密かに気合を入れた
「今日はハンバーグとだし巻き卵っ!とご飯」
そう言いながら ご飯を作りに行った
「夜ご飯オッケー!みんな~できたよ~~!」
「「「「はーい!」」」」
重なる4つ 紬ちゃんの声は・・ない
と思ったら
「・・・・美味しそうですね」
後ろを振り向くと紬ちゃん!
「わわっ!?」
私 びっくりしちゃった
「そんなにびっくりしますか?」
紬ちゃん・・少し笑ってる
嬉しい・・涙が出ちゃうかも
・・ダメダメ 妹の前なんだから
「びっくりするよぉ」
「食べましょう」
「うん」
「いただきまーす!」
「「「「「いただきます」」」」」
今日の夜ご飯は特別な味がした
夜ごはんが終わって自由時間
私は紬ちゃんが部屋に戻ろうとしたタイミングに話しかけた
「紬ちゃん!」
「はい 何でしょうか」
「夜 一緒にお話ししない?」
「話・・ですか」
紬ちゃんの表情と声が曇った
「ごめん!やっぱりいい!紬ちゃん 無理させたくないから」
「・・・・話ししましょう 夜ですね 11時でいいでしょうか」
ひぇ・・夜過ぎない・・!?
もう寝てるよ・・・私
「いいよ!」
せっかくのチャンスなんだから
頑張らなきゃ
7 私の思い あなたの思い
11時
紬ちゃんの部屋へ行った
「日葵さん ようこそです」
「ありがとう 紬ちゃん」
しばらく沈黙が流れた
・・・沈黙しかない
10分、20分
それぐらいかな 紬ちゃんが口を開いた
「日葵さん」
「ど、どうしたの?」
「私 日葵さんなら言っていいと思いまして」
「え」
「優しくて・・諦めない 私 あなたのこと・・信用しました」
「裏切らないって あなたの瞳が語ってるように見えるんです」
「紬・・ちゃん」
「不快に思わせたらごめんなさい」
「不快なんかじゃないよ!すっご~~く嬉しい」
「・・ありがとうございます」
そう言って紬ちゃんは口を緩ませて少し微笑んだ
「私の過去を聞いてください」
「うん」
---
8 紬の過去
紬 4歳
名前はどこで貰ったのでしょうか
それも分かりません
まず最初は思った通り施設です
先生も生徒も意地悪でした
でも私はそんな子ではなく、普通・・でした
だけど 先生に暴力を振るわれ、孤児院の人はいじめ
学校でもいじめられて
施設が悪い ということもあって先生にも見て見ぬふりをされました
私は そんな施設が大っ嫌いでした
居場所なんてないと思いました
それから6歳
私は里親さんに引き取られました
そこはごく普通の家庭でした
それで・・里親さんは優しかったです
新しい学校でもいじめられた・・という点はありますが気になりませんでした
そして1年後 7歳
里親さんは亡くなり また施設へ戻されました
先生は私をいじめ 孤児院の人もいじめ 学校の生徒もいじめ
・・・戻ってきました
私は里親さんのことをそこまで最低だとは思いませんでした
そこからさらに1年後 8歳
また里親さんの所へ移ることになりました
だけど・・そこの里親さんは
私を優秀な人材として育て、いい就職をさせる
それで金を貰う それしか考えてませんでした
さらに運も悪く 新しい学校でいじめられました
勉強で99点を取ると怒られ 8歳だというのに中2の勉強をさせられ
その中で救いだったのが 裁縫と絵を描くことだったのです
それで上手くなりました
そして11歳 小学5年生
お前はバカだと里親さんに言われ 捨てられかけました
そして11歳の3月
兄弟がいることを知って
ちょうどいい捨てよう といって私を・・・ここへ連れました
私は人を信じられない
施設の人達はいじめて
優しかった里親さんは亡くなって・・
もう一度里親さんに移ることが決まって心を躍らせてたのに
そこでも裏切られて
私は 人が裏切るという心の中のことをやめることはできそうにないのです
私の心に負った傷は 深いのですから
---
「以上です」
なんてひどい内容・・・
思ってたよりも酷い・・それに 紬ちゃんが人を信じれなくなったことも分かった
「辛かったね・・辛かったね・・っ」
気が付くと肌に水が当たってた
「なんで・・泣いてるんですか」
紬ちゃんにそう問われてやっと涙だと分かった
「だって・・紬ちゃん辛かったし・・気持ちを考えれば 分かるもん・・っ」
「日葵・・さん・・・・」
あ、紬ちゃん 泣いてる・・・
私は強く紬ちゃんを抱きしめた
「紬ちゃん 辛かったよね・・悲しかったよね・・・でも・・大丈夫・・・だよ」
「日葵・・さんっ 日葵姉さんっ」
日葵・・姉さん
家族ってこと・・なの?
「私達は家族だから 裏切らないよ・・っ」
私はさらに泣いて 紬ちゃんもさらに泣いた
抱きしめ合って
いつのまにか紬ちゃんの部屋で寝ていた
9 きっと紡げる
朝
朝日がキラキラと私達へと注ぐ
「おはよう」
紬ちゃんへ話しかける
「おはようございます」
彼女の笑顔は偽りがなかった
「私 兄弟全員を信じられそうです」
「紬ちゃん・・・」
「私達 家族だって 裏切らないって やっと理解しました」
「姉さんや兄さんに伝えてください 私も家族だって」
「うん!伝えるよ!」
私が笑顔になると紬ちゃんも笑顔になった
「まだ怖いんです・・・でも・・私 もう一度だけ信じます」
「ありがとうっ」
紬ちゃん・・大丈夫 誰も裏切らないよ
私は扉を開けて 1階へ降りた
「おはよ~」
「「「「おはよう」」」」
「ねぇ紬ちゃんが信じてくれたよっ!」
「「「「・・・え?」」」」
最初に口を出したのは結菜ちゃん
「紬が・・?」
「紬が・・・・か」
「紬ちゃんがぁ~?」
「・・やったな 信じてくれたんだ」
そう言ってると紬ちゃんが来た
「姉さん 兄さん 昨日 日葵姉さんに話を聞いて 考えが変わったのです」
「私 もう一度 信じます」
「「「「「ありがとう!紬(ちゃん)!」」」」」
「私も皆さんのこと大好きです」
笑った彼女の笑顔は眩しくて
私達も一斉に満面の笑みで微笑んだ
「あ、今日の空 奇麗ですね」
「あ、ホントだ すっごい青いね!」
一度は閉じ去った心
でも 未来は変えれる
私達は裏切らない
きっと紬ちゃんの想いは紡げる
青い空はその約束を紡いでくれるように感じれた