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ふぁんがくデスゲーム 第八話
部屋に戻って明日の予定を決める。
《《あの事》》。
自分がしでかした罪の重さに吐き気がする。
終わった後に、彼への気持ちに気付いたって。
《《もう遅いのに》》。
過去に縋るように、楽しかった思い出、
細やかなだけど、
言われて嬉しかった、あの言葉。
けれど、もう遅いから。
最高のゲランドフィナーレを完成させる。
ただ、それだけが、生きる意味。
そんな気がするのだ。
何故か、何故か?
わからない。
ただ、もう、何も考えたくはない。
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【**月兎宮魅音視点**】
……なんで、こうも世界は理不尽なのだろう。
好きだった先生。友達。
みんな死んでいく。
…私は、知っている。
悪星先生が裏切り者だってことを。
でもね、《《もう、遅いの。》》
だから、だから、…
私は、`《《今から、殺される為に生きる。》》`
うん、それで良かったんだ。
その為に私は生まれてきたんだと、思う。
《《思いたい。》》
広場に向かう。
広場を見ると様々な人の死体が、刺されて、
ぐちゃぐちゃになって。
「__ふふ…w__」
声が漏れる。やっと、この時が来た。
嬉しい。心の底から笑える。
`~~もう死んでいいんだ。~~`
「…あっハは.ᐟ.ᐟ」
嬉しさの中、静かに。
悪星先生が近づいてきた。
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【**悪星春猫視点**】
僕は、朝早くに起きて、皆が起きるのを待った。
皆が起きてきたら、一人づつ、刺した。
二人で、起きてきた、人たちは、
片方を、動かなくしてから、
もう片方を、ぐちゃぐちゃに、した。
そして、片方に。とどめを打った。
なんか、もう全部どうでもよくなった。
心にぽっかり空いた空白も、
快楽も。
なぜか、こうしなくてはいけない気がする。
ただそれだけ。
《《まるで、何者かに運命の糸を》》
《《手繰られてるかのように。》》
ああ、なるほど。
もしかして、やっぱり。
そんな疑念と納得。
嫌になってしまう。
でも、僕にはもう。
《《抗えない》》。
一度、そちら側に同意してしまったから。
多分、今も、《《こちらを見ているのだろう》》。
《《ねぇ、見ている貴方。》》
《《僕は、貴方がたのご希望に、》》
《《添えられたでしょうか?》》
《《添えられたなら、…皆がもう苦しまなくて》》
《《いいようにしてあげてください。》》
皆の死体の中から、
一人の少年…レレンという子が立ち上がる。
そして、雇澄先生の銃を持って、
僕に銃口を向ける。
その行動は何一つ間違ってなんていないから。
思い詰めなくて、良いんだよ。
だから。
~~《《生きて》》~~
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【じむいんさん視点】
銃声が鳴る。
パァンと、大きく。
レレン、という少年は
酷く思い詰めた顔をしていて、
やはり、一周目はデスゲームを選んで良かった。
欠片が、多く集められる。
2周目は…そうだな。
《《奇病》》などがいいだろう。
あ、レレンという少年が縄を首に掛け始めている。
そろそろ、欠片より
早く結晶を作れる《《破片》》も集め始めよう。
次回の観覧者は…二名でいいか。
じゃあ、ならば。
《《魂を隣で廻しているエメラレス様》》を見て、
「そろそろ、第二ゲームです。
楽しんでくださいね。」
ただ、そう声をかける。
本当に、ただ、それだけなのだ。