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学級 5話
あの作戦を実行するのは、かなり怖かった
正直音源と放送では音質が違うし、バレてもおかしくなかった
まあ、教室の扉越しだったのが大きかったかもだけど
しかし、あんな漫画みたいなイジメがあるなんて、、、
イジメ、なんとなくふわふわした言葉だった
自分だって、知っている
イジメっていうのは、どこでも起こりうるとだってこと
イジメっていうのは、本当に現実であるんだってこと
イジメっていうのは、実際に人の命を奪った、恐ろしいものだってこと
イジメっていうのは、明確な、「〇〇をされたらイジメ」っていうものではないっていうこと
でも頭で知っていても、心が追いついていかない
一番馴染む言葉は「嫌がらせ」だった
嫌がらせ、だと、少し自然だ
なんか、笑って許せることのような感じで
イジメが題材の本だって、いくつか読んだことがある
それは、どれも本当に酷いことだった
でも、現実味がなかった
初めていじめの描写に触れたのは、子供の頃見ていたアニメ
アイドルが、他のクラスメートに嫉妬される、という内容
陰口を言ったり、サインを強要してたりして、そのアイドルはなんども転校を繰り返す、というものだった
この話は、とてもわかりやすかった
美人で、性格が良い、そんなアイドルが、他の普通の女子に嫉妬される、というのは、とてもわかりやすかった
それ以降も、まあまあわかりやすいものが多かった
でも、こっちの世界では違う
だって、木芽とカナコが両思い、というのも、木芽とめありが付き合っているというのも事実だから
だから、めありがカナコに怒るのは、ある意味とても普通なことなんじゃないか
自分が「正しい」とか「正しくない」とか決めるのは、無理なんじゃないか
そうおもえてしまう
付き合うとか、そういうのは自分にはよくわからない
だから、そっち側の人間の気持ちなんて、察せないんじゃないか
めありと付き合っている木芽をカナコが好きになるって、実は、自分が思う以上にまずいことなんじゃないか
そう思ってしまう